西暦300年の旅行ガイド

古代ローマ帝国トラベルガイド/レイ・ローレンス
 本書は“紀元300年にローマを旅する人に向けたガイド本”という形式を採って当時のローマの名所や風習、あるいは歴史などを紹介したもの。西暦300年が基準だから例えばハンニバルと戦った第二次ポエニ戦争は500年前、初代皇帝アウグストゥスの治世は300年前、といった表現になるのだが、こうした表現に触れると改めて、その時間の永さを実感する。
 本来の趣旨であるガイド本に立ち返るが、ローマの名所紹介を読むにつけ、卒業旅行でもう少しローマ遺跡に触れておくべきだったと今更ながら後悔。あの時はまだ塩野七生の『ローマ人〜』も読んでなかったから、とりあえずメジャー、かつタダで廻れる場所(笑)という事でコロッセオや真実の口、聖ピエトロ大聖堂、そしてスペイン階段などをは巡ったのだが、よくよく記憶を辿ってみると、コロッセオの傍でフォロ・ロマーノの遺跡群を見ていたし、ローマの中央駅であるテルミニ駅前の広場にはセルウィウス城壁があった。そしてバチカンからの帰り道には今はサンタンジェロ城と呼ばれるハドリアヌス帝の霊廟を通っていたのだった。
ここだけは写真に撮ってた。

 また欧州に行く機会があるならばドイツ方面やバルセロナなど行きたい場所は多々有るのだが、もう一度ローマに行くとすれば、パンテオンは是非一度この眼で見てみたい。