U-21欧州選手権

 U-21欧州選手権でドイツが優勝した。決勝の相手はGLで1-1と引き分けたイングランドだったが、4-0で圧勝。これでドイツは


2008年:U-19欧州選手権優勝
2009年:U-17欧州選手権優勝U-21欧州選手権優勝


 と2年間でUEFAの全ユースカテゴリーを制覇してしまった。余程の事が無い限り、少なくとも今後10年はフル代表も欧州・世界のトップ水準に止まっていられるだろう。


 このblogでは何度も言及してるように丁度10年前のドイツはフル代表がどん底だったんだが、ユース育成の改革が始まったのもその時だった。当時のWSDの巻末コラムは毎回代表批判か育成ネタ・期待の若手、もしくはバイエルンの話ばかりだったんでよく覚えてる(苦笑)
 育成を根本的に変えた結果、それまではパワーだけでまともなラインコントロールも出来ないDF、創造性に欠けるオフェンスばかり生まれ、結果ロングボールとクロスと精神力だけのサッカーに成り下がっていたのが、基本的な戦術眼と技術を持つ選手が生まれるようになった。同時にフランスやオランダみたく移民の子弟を取り込んで行った一つの到達点が、この2年間の結果という事なのだろう。ドイツという国は変化に対してとても慎重な国という印象があるが、この育成とかイタリア並みに老朽化していたのが今や欧州トップレベルの水準になったスタジアムとか、一旦変え始めたらそれを徹底する印象もある。
 それでもここまで10年だ。全力で改革に取り組んでもこれ位の時間は掛かる。やはり人を育てるというのはそれ位長い目で見ないといけないのだろうし、小さな積み重ねが10年という時間の後には大きな差になって表れて来るという事か。日本でも試行錯誤しながらU-17代表までは徐々に成果を上げつつあるので、後はU-19/U-20世代が殻を突き破るのを待つだけなのだが・・・。U-18が先日発表されたが、この時期は合宿の度に違う選手を呼ぶから、誰が中心で、などといった事は分からない。今年の終わり頃にはある程度メンバーが固まって、何度も同じ名を見るうちに自然と分かってくるはずだ。これもまた2年周期で繰り返すいつもの光景。