J1第25節 横浜M×C大阪(日産)


 今季のマリノスは、というか監督がそういうキャラなのだと思うが、“自分たちのサッカー”を貫いてくるような相手(浦和、川崎、湘南など)に対しては常にしっかり事前分析して対応し、内容はともあれ結果を出しているのに対し、逆にマリノスを研究してくる相手(大宮、柏など)に対しては対応が後手に回る傾向にある。“いつもと違うぞ”と面食らったまま失点し、反撃する頃には試合終盤で時既に遅し、てな具合。今日の相手セレッソはどちらかというと前者と言う印象なのだが、実際は去年から1分2敗と分が悪い。そして今日の結果を踏まえると、やはりクルピの采配力であったり試合中の修正力が優れているのだろうと思う。今日のマリノスは警告累積で出停の右SB小林の代わりに奈良輪が入った他はいつものメンバーで全体を通して見れば大宮戦、柏戦ほど悪くは無かったし、相手ゴール近くまで侵入する機会は幾度もあったのだが、その割にGK金鎮鉉が忙しくなるような場面はそれほど多くなく、ボールを奪われてセレッソに速攻を許す場面が何度かあった。中村のFKが枠に飛ばなくなっているように、チーム全体のコンディションが好調時から落ちてるようにも思うが、アウェイで相手の攻勢を耐えた後に必ず自分たちの時間を作るセレッソも見事で、柿谷がもう少し動きが良ければ危なかった。セレッソというと柿谷、山口、扇原、杉本というA代表、五輪代表の面々に注目が集まるが、先制点を挙げたCB山下もなかなかのタレントだと思う。87年生まれという事だが、もう少しブレイクが早ければ同い年の森重の様にザックに呼ばれてたかもしれない。

 と言うような試合だったのだが、浦和、広島、鹿島が全てアウェイとは言え軒並み敗れたのを見るにつけ、まだ優勝の最有力候補ではあるな。これでホーム無敗継続とは言え7勝6分と圧倒的な数字を残している訳でもないマリノスも好調とは言えないが、かといって他に優勝するような所はあるかというと・・・。イメージとしては05年に近い。突き抜けたチーム、ラストスパートをかけるチームが無く、優勝したガンバもかなり取りこぼしたシーズン。あの年の様にどこも勝ったり負けたり引き分けたりを繰り返しつつ最終節を迎えそう。