盛者必衰の理

 今節の静岡ダービーはまた互助会よろしく磐田が勝つかなと思っていたのだが、結果1−0で清水と。15位甲府とは残り4試合で勝点11差と数字上は一応可能性は残っているが・・・次でほぼ決まるだろうな。監督も途中で代わったし安田を途中補強したりして、もう少し粘ると思ってたのだが、あまりにあっさりと勝点を落とし続けるので逆に驚く。ここの試合を見ていて思う淡白さ(綺麗なサッカーだが競り合いに弱い)そのままの展開とも言えるのだが。
 このクラブを見ていると、ドイツのボルシアMGの姿と重なる。1970年代のブンデスリーガバイエルンとボルシアMGの2強だったが、大都市ミュンヘンを本拠とするバイエルンに対して中小都市メンヘングラッドバッハのボルシアMGは収益面で厳しく、黄金時代を支えたメンバーが移籍や引退でクラブを去ると、代わりに獲った選手では穴を埋めきれずに徐々に競争力を失い、90年代後半にはついに2部に降格した。その後はやや盛り返して現在は1部に定着し、また伝統的に育成には優れていて70年代当時から現在に至るまでマテウスエッフェンベルクダイスラー、今ならテア・シュテゲン、ヘアマンといった代表選手を産み出しているのだが、最初の3名が全員バイエルンに移籍したように、もはや選手を供給する中堅どころのクラブとして定着している。ついでに言うと去年バイエルンで3冠達成したハインケスは元々ボルシアMGの黄金期メンバー。
 今挙げたボルシアMGの歩みがそのまま磐田に置き換えても違和感無い位重なるんだよな。静岡県内でも決して大きくは無い街に中山、名波、藤田、服部、福西、田中誠鈴木秀人、高原といった代表クラスの選手がいて鹿島とタイトルを争ったものの、そのメンバーが衰えたり移籍した後は競争力を維持出来ず、徐々に成績が下降していったという構図が。磐田も黄金期の次の世代として前田を育てたし、下部組織出身の山田(大学経由で加入)というタレントもいて、伊野波、駒野といった代表選手を補強したりもしているのだが、それでも衰退を止める事は出来なかった。
 高齢化したのは選手だけでなくファン、サポーターも同様だと思う。自分の周りの同年代には中高大と磐田が強かったのもあって結構磐田好きが多い。また05年に磐田と東京V天皇杯決勝に行った時などは、メインスタンドで自分の周りに座ってた5〜6歳は年上と思われるお姉さま方が“俊哉さ〜ん”、“名波〜”などと声援を送っており、嗚呼この人たちの学生時代は磐田黄金期と共にあったのだろうなとしみじみと思わされた。今は有名選手の多かった当時と違ってそういうファンが増える間口は広くなさそうだし、スタンドの平均年齢も上がってるのかなと。

 降格したら伊野波は間違いないとして(苦笑)、前田、駒野も移籍しそうだから、若手・中堅で立て直すしかない。川口は年齢的に残って昇格を目指すような気がする。Jは柏の様に中規模都市を本拠に置いても(勿論親会社の支援があるのが大きいが)タイトルを獲れるリーグではあるから、ヤマハの協力如何では数年後にまた上昇する可能性も無くは無い。問題はネルシーニョ級の監督が引き当てられるかという話だが。今年改修したヤマハスタジアムには是非行きたいと前々から思っていて、今年を逃すとJ1で観れるのは早くて2015年なんで、11/23の磐田×横浜Mは行ってしまおうかしら。翌日10kmマラソンが控えているのだが、14時開始なら何とかなりそうだな。