TM30周年

 今週月曜はTMが“金曜日のライオン”でシングルデビューしてから丁度30周年ということで、22日の火曜に記念シングルと89年のアルバム「dress」をセルフリプロダクトした「dress2」がリリースされた。月曜のイベントの残務も今日ようやく片付いて少し余裕が出来たのでDL。
 当時のTMの楽曲は聞く度に今でも色褪せない新しさを感じるのだが、皮肉なことに『“今”の小室哲哉の感覚で再構成された』TMの楽曲は新しさよりも(悪い意味では無く懐かしさと同義語での)古さが全面に出るように思う。“永遠のパスポート 2014”、“ACCIDENT 2014”などは結構良かったんだがその他は歌詞と曲、アレンジの非調和とでも言うか、違和感が拭えない。まぁGet wildself controlなどはアレンジされ尽くされているので、より凝った、マニアックな方面に行かざるを得ないという事情はある。それでも数年前に出たボーカル含め全面的に外部のリミキサーが作ったハウスリミックス版はそう感じなかったのだが・・・。今回は宇都宮隆の声である故かとも思ったが、昔鈴木あみ(当時)が“Be together”をカバーした時(これももう15年前)も、同様にTMらしい疾走感が無く期待外れだったので、「自分の中のTM像」という先入観に縛られた聴く側の問題なのかもしれない。

 このアルバムはわざわざ『セルフリプロダクト』と銘打ってるのには訳が有って、元の「dress」自体リミックスとは言わず、(小室ではなく外部に委託したのを区別するために)『リプロダクション』と呼んだのを引き継いでいる。まとめると

普通に編曲→リミックス
リミックス作業を外部のリミキサーに全委託→リプロダクション
そのリプロダクションアルバムをTK自身で再構成→セルフリプロダクト

こうなるが、部外者から見れば一体何が違うのかと思うだろう(苦笑)が、それこそがこの人の特長でもあって、FANKSの概念とか、ファン層を含む周りでしか通じない世界観の構築こそ真骨頂というべきもの。あらゆるグループ、ユニット、バンドにそういった世界観や物語性はあると思うが、人では無く楽曲に関する概念を提示する点はこの人ならではだな。