そうそう例の総選挙だっけ?あれはこの際究極の金権選挙を極めて欲しいわ。昔高校の世界史の授業で“神聖ローマ皇帝は選挙で選出され〜”と聞いた時は最初(公職選挙法で規定された)現代の選挙を想像したものだが、直ぐに当時はそんな縛りは全くないのだと気付かされた。スペイン王カルロス1世とフランス王フランソワ1世が帝位を争った時はお互い凄まじい金をバラ捲きまくった末に、豪商フッガー家を味方に付けたハプスブルクのカルロスが当選して皇帝カール5世となったのだが、それ位の勢いで。そんな皇帝も選挙の借金が遠因で宗教改革〜三十年戦争による帝国の崩壊を招き、フッガー家も新大陸(南米)から大量の銀が流入して自前の銀山が立ち往かなくなって没落したように、この“選挙”も行き付く先は破滅という道を指し示しているように思うのだが、それはそれであたかもラグナロクの到来を知りながら今この瞬間を謳歌する北欧神話の様な儚さや滅びの美学があって良いのでは、と部外者が物申してみる。
グループD
ウクライナ0−1スウェーデン
フランス2−1イングランド
スウェーデン1−1イングランド
ウクライナ1−1フランス
スウェーデン1−1フランス
イングランド1−2ウクライナ1位フランス勝点5(得失差+1総得点4)
2位スウェーデン勝点5(得失差+1総得点3)
3位ウクライナ勝点4
4位イングランド勝点1
ランパード、バリー、ケイヒルが欠場し、ルーニーが2試合出停———これではそもそもの戦力値が足りてないと言えるが、この国が前評判の割にいつも本大会では微妙な内容で結果も出せない理由は他にあると思う。要はパワー、スピード、闘争心に頼り過ぎて攻撃に意外性が無いんだな。より正確にはリズムの緩急を付けられるタイプ。タックルが激しい選手、正確なミドルやクロスを打てる選手、あるいはドリブルが上手い選手はいるのだが、スペインのシャビ、イタリアのピルロのような、そこまでのレベルでなくともパスを散らして攻撃のリズムを変えられるような、そんな選手が皆無。過去20年でそれが出来たのはガスコイン位しか思い浮かばないが、そのガスコインが出場した数少ないW杯(90年)やEURO(96年)でどちらもベスト4入りしたのは偶然では無いはず。若い選手が台頭して来たと言っても、どれも従来からいるタイプの範疇を越えるものではなく、例えば守備ならR・ファーディナンドが衰えて若いP・ジョーンズに変わっただけでスタイルが変わった訳ではない。ルーニーにはそういう素質がありそうだけど本質的にFWで、しかも最終戦しか出られないので、それまでに大勢は決まっていると予想したい。
イングランドが脱落するなら開催国が、と言いたいところだが、ここはスウェーデンの2位抜けを。イブラヒモビッチはクラブに比べて代表では世界や欧州の制覇が困難な分、モチーベーションを保つのも難しいと思うのだが(実際一度代表引退を表明した)、そんな彼をキャプテンにして代表でプレーする動機付けをした今の監督は隠れた名将と思う。それはリベリやベンゼマを上手く操縦しているフランスにも言える事で、D組からはこの2カ国が勝ち上がると予想。