ボストン爆破テロのニュースを見ていて、犯人兄弟の兄の名が「タメルラン」というのが目を引いた。スペルはTamerlanとなるが、これはあの14〜15世紀にユーラシアの西半分を制覇したティムールの別名、渾名だからだ。wikiによると右足が不自由であった為、ペルシャ語で「跛行のティムール(Tīmūr-i Lang)」と呼ばれていたのが英語に転訛して「タメルラン(Tamerlan)」となったらしい。
この兄弟はチェチェン人だが、本拠地が現在のウズベキスタン辺りのティムールの名を何故使っているのだろうかと思ったのだが、「タメルラン」で検索するとロシア人柔道家の名も出てくるし、ティムールが支配した中央アジアからカスピ海〜黒海周辺の旧ソ連領では割とメジャーな名前なのかもしれない。
ちなみに捕まった弟の名は「ジョハル」なのだが、これは90年代初めにチェチェンの独立を図った(そしてロシア軍に攻撃され、死亡した)ジョハル・ドゥダエフから取ったのだと思う。この弟の生まれた時期は丁度ドゥダエフの在任時期だし。兄に中世の中央アジアの英雄、弟にチェチェン独立派の首領の名を付けたこの兄弟の父親の思いが何となく見えてくるが・・・。