シーズン途中雑感

 開幕から約2カ月、リーグ戦10試合消化と言う事で今季を振り返ってみる。
 開幕から6戦全勝の後は2分2敗という実にはっきりした結果となっている訳だが(苦笑)、勝てなかった試合も(少なくとも実際に観た甲府、鹿島、柏については)昨日書いたように「去年の勝てなかった試合」よりは余程良い試合をしていると思う。その理由は何度か述べているが、やはり組織、連携UPと中村の左足の精度だな。よく「阿吽の呼吸」と言うが、パス1つ取っても相手に取られないようなタイミングやスピードで出したりしていて、そういうのが積み重なってチャンスに繋がっているなと。後は俊さんの左が恐ろしい程絶好調で、流れで点が取れずともセットプレーで点を取って主導権を握れるというのは大きい。

 とは言いつつ直近のリーグ戦は4戦未勝利でもある訳で、その理由を考えると、原因は強みである「組織」なのではと思う。思うに今のマリノスで言う組織力、連携度の高さというのは例えば柏とか大宮で言う所の“組織”とは微妙に違う。要は人と人の関係の積み重ねとでも言うか、あくまでA選手とB選手の間の連携(の向上)であって、ポジションAとポジションBの連携では無いんだな。例えば両ボランチ(富澤と中町)の関係だったり、両サイド(小林と兵藤、ドゥトラと齋藤(端戸))、あるいは中村とマルキーニョスの関係だったりと、何パターンもある個人と個人の関係を去年からずっと練習で深めていったのが今の形ではないかと。上で柏と大宮を引き合いに出したが、これらのチームは個人と言うよりはポジション間の連携であって、例えばサイドバックに誰が入っても(個々の技術や身体能力で差はあれど)基本的には同じ動きが可能。昨日も柏は負傷で交代枠を2つ使わざるを得なかったが、代わりに入ったGKもDFもすんなり試合に入って機能していたし、何より狩野がR・ドミンゲスの代わりに中盤の攻撃的なポジションで攻守に動き回っていたのが印象深い。マリノス時代は試合に出たり出なかったりでパフォーマンスが不安定だったのが、(能力はレドミが上と思うけど)しっかり穴は埋めていた。

 人をベースにしたサッカーは一旦連携が深まればそれが持続して安定するメリットの半面、人や布陣が変われば全く変わってしまうデメリットがある。例えばドゥトラは年齢の割にナビスコ杯でも休まず試合に出続けているが、これは本人の調子以上に代わりがいない面が大きいと思う。一応比嘉、奈良輪という選手がいるが、もし代わりに入ったら周りの選手との連携がそこまで深くないから能力の違い以上に異なるサッカーになるので、主力に疲れが溜まっていようと容易に代える訳にはいかない。GWは4/27→(中5日)→5/3→(中2日)→5/6という日程だったが、主力を出し続けたのも(出さざるを得なかったのも)こういう事情に因るのではないかと。
現時点で一番連携の高い布陣(=ベストメンバー)というのは↓のはず。
GK:榎本
DF:小林、中澤、栗原、ドゥトラ
MF:富澤、中町、中村、兵藤、齋藤
FW:マルキーニョス
去年の中盤以降ほぼ同じ面子で戦ってきており、どの相手にも互角以上に戦えると思う。
 問題はこの布陣で長いリーグ戦を戦い抜けるのかという話。唯でさえ30代が多くフル稼働は厳しい事が予想され、実際10試合消化の現時点でも、怪我や出場停止で上記のメンバーが抜ける試合が出ている。次戦も中町と栗原が出場停止。
 
 例えると、今はフルマラソン走るのに、まだ1/3の距離にも達してないが、スタミナはそれ以上に使ってる気がするんだよな。要は最後バテるんじゃないかっていう。CBはファビオがかなり利いてはいるが、SBとボランチは本当の意味での代役が居ない。6月にリーグは一旦中断するから、そこでマラソンで言う所の給水タイムというか、休めるのは大きいが。まぁ次の名古屋は不調だから、アウェイとは言え勝点3を取っておきたい所だ。