J1前期第5節 横浜M×仙台(日産)


 開幕以来約1カ月ぶりの日産スタジアム。ここ最近天候が安定しないが今日は珍しく終日晴天に恵まれた一日になった。

 ホームの仙台戦は勝った記憶が無いなと思って調べてみたら仙台が再昇格した10年から去年までリーグ戦のホームでは1分4敗だった。代わりにリーグのアウェイでは2勝3分と負け無しなのだが(ナビスコ杯では先日アウェイで敗戦)。ホームではいつも赤嶺に決められてる印象なので、その赤嶺が移籍した今は点を取られる事も無いかなと思ったが、すぐにウィルソン、梁勇基、野沢といったマリノス相手にいつも一仕事する面々が健在なのを思い出した。

 で、今日の試合だが、従来通りの仙台戦という感想しか浮かんでこない(苦笑)マリノスがやや押すが、仙台がよく粘るという構図。終了間際のファビオの同点ボレーはゴラッソだったが、決定機自体は少なく、自陣で相手ボールを奪う守備の形、奪った後の相手陣内中ほどまでの攻めは組織立っていて見応えがあるのだが、相手ゴール前になると急にトーンダウンしてしまう。アデミウソンと齋藤もまだコンビネーションを磨いている最中といった感じで、ゴール前のパスの呼吸が合わずに決定機に至らない場面多数。リードされた後は柏戦の様に三門を右SBにスライドさせるのかと思ったが、そうではなかったので、あれはあくまで緊急時のオプションの1つという扱いなんだろうな。ただこれ以上アデミウソンと齋藤のノーゴールをチームが待てるのかどうか。今は兵藤やファビオが点を取って勝ち点を稼いでいるが、上位に行くチームはやはり前の選手が点を取る。その意味で中村と同じくらいラフィーニャの回復が重要になるな。

 そのアデミウソンだが、デビュー戦で“ブラジルでヨーロッパ仕様に育成されたアタッカー”と書いたがその印象は今も変わらない。献身的で周りを生かそうとするプレーは所謂ブラジル人選手ぽくないし、一方で局面のテクニックはブラジル人らしさも感じさせるのだが、どうもある一定の規格に収められた感が消えない。ブラジルでは経済成長によって天才を生み出してきたストリートの土壌が消えつつあり、各クラブも欧州のクラブが欲しがる(高い違約金を望める)タイプ―――テクニックだけでなくフィジカル、規律も備える選手―――を積極的に育てているという記事を読んだ事があるが、まさにその典型例とでも言うか。今後も今のプレーが続くなら、中村、ラフィーニャが復帰したら2列目のポジションを齋藤と争う事になるのではと思う(トップはラフィーニャ、2列目の残り2人は中村、兵藤)。まぁ負傷者の復帰後についてはまた後日色々と書きたい。