J1後期第14節 横浜M×神戸(日産)


 この試合は前半終了間際の前田退場以前と以後で展開がはっきり分かれる。
前半はマリノスが押し気味ではあるものの、神戸がよく守って決定機は作らせない展開が続いていたのだが、前半31分に最終ラインがハーフライン近くまで上がっていた中でファビオがボールの処理を誤り、それを渡邉千真に奪われそのまま独走ゴールを決められた。落ち着いて1対1を決めたシュートも見事だったが、渡邉はポストプレーでもよくボールを収めていたし、また一段階成長したように思う。これでリーグ7点目だが、年間13〜4点取れるペースなら代表も見えてくるのだが。このゴール後は明らかに神戸に時間帯が続いて何度か惜しいチャンスを迎えるのだが、そんな中でCKから前田が喜田を倒し、2枚目のイエローで退場。
 後半は神戸は完全に引いて守り、マリノスが圧倒的に押し込む時間が続くのだが、エリア外からのミドルは枠を捉えられず、決定機には至らず。後半10分頃には怪我明けの齋藤が天野純に代わって出場したが、天野は今回もリーグ戦で結果を残せなかった。最近出番の少ない藤本もそうだが、この手のタイプは中村俊輔と似たようなタイプがもう一人いるだけ、という状態になってしまい、なかなか持ち味を発揮しにくい。やはり齋藤の様にドリブルやスピードといった10番にない特長を持つ選手でないと活きないのだろうと思う。
 齋藤投入後は徐々に枠内シュートも増えて行ったのだが、今日はGK徳重が当たっていてことごとくセーブ。またたまに神戸がカウンターで攻める時はしっかり3人ほど前に走り込んでマリノスゴール前まで到達するなど、その辺の規律はさすがネルシーニョといったサッカーだった。
 そんな中で後半40分を迎えたのだが、アデミウソンが左から切り込んでエリアすぐ外から放ったシュートがGKのブラインドになってこれが決まり、同点に追い付いた。GKにとってはやや不運だったが、あのタイミングでシュートを打ったアデミウソンのセンスが上回った形だったな。そしてロスタイムには中村のぶれ球ミドルをGKが弾いた所を三門が折り返して齋藤が合わせた。丁度仙台戦の2点目の様な形から決まったゴールで逆転し、そのまま試合は終わった。

 上位もなかなか負けないので残り3試合で後期首位の広島まで勝点6、年間3位のFC東京まで勝点8という状況だが、この3試合の対戦相手は
川崎(A)→鹿島(A)→松本(H)
で、前期にホームで完敗した川崎、鹿島相手のアウェイ戦が続くが、こういう厳しい試合を全勝して初めてタイトルが見えてくると考えれば分かり易い。一発勝負のトーナメントみたいなものだ。まぁそもそもこうなったのも後期の序盤で山形、清水相手にホームで1分1敗など勝点をかなり失ったのが原因なのだし、それを取り返すには勝点3を取り続けるしかない。
 今日は雨予報だったので屋根下に席を取ったのだが、後ろにいた家族連れの母親の声がかなり大きく、元気な母ちゃんだなと思っていたのだが、齋藤の逆転ゴール後は盛り上がってハイタッチという流れになっていた。