J1前期第10節 横浜M×名古屋(日産)


 この試合の前までマリノスは2連敗、名古屋は2連勝、しかもマリノスは中村、ラフィーニャが再度離脱という事態だったのだが、振り返ってもこのチームは得てしてこういう時に結果を出したりする。“ここで負けたら危ない”という試合で勝つとでも言うかな。今日は右から富澤、中澤、ファビオの3バックだった。マリノスの3バックはいつ以来だろうか。昔木村浩吉監督の時代の2009年に変則的な3−4−3があったと記憶しているがそれ以来かな。急造なので勿論完璧に機能とまでは行かなかったのだが、それ以上に名古屋がこの布陣への対応に苦慮しているように見えた。主に左サイドにいる永井は小林と富澤の連携で上手く封じられていたし。そんな中で右サイドを抜け出した齋藤のクロスをアデミウソンが上手く合わせて早々にマリノスが先制。

 先制された後でようやく名古屋は吹っ切れたのか押し込むようになったのだが、中央をマリノスが固めているので決定機までは作れない。そんな中で前半終了間際に右SB田中がアデミウソンを倒して2枚目のイエローで退場。
 名古屋は後半矢野を入れて同点を狙いに行ったのだが、攻め込む度にマリノスはカウンターで決定機を作り、そして後半早々に右から小林の折り返しを楢崎が弾いた所に中町が詰めて2点目。名古屋はそれでも1トップ川又、2列目の永井、小川、矢田、そして中盤のダニルソンが上手くボールを回して攻め込むのだが、全体的にカウンターのキレ、スピード感が無かったな。守備でも闘莉王の強さと前にボールを運ぶ推進力はさすがだったが、やはりスピードは落ちていてマリノスのカウンター時に苦慮しているのが見えた。時間が進むにつれて名古屋の運動量は落ちて最後は少し息切れ気味だった。

 そういう状況だったのでマリノスは後半に負傷明けの端戸が今季初出場した。少し期待して見ていたのだが、主に右サイドでパスの捌き役に止まってボールタッチ数は数えた限り3回のみ、自分で前に突っ掛けたりエリア内に走り込む動きは無かった。今日は実戦に出る事にまず意味があってチームのバランスを崩さない様なプレーだったのかもしれないが、あまりに無難過ぎた感があった。今日の3バックは暫定布陣で今後も続けるとは思えないが、この布陣だと守備+両サイド+ボランチで7名埋まり、2列目より前の枠が3しかなくなる。今日のスタメンであるアデミウソン、齋藤、藤本に兵藤、喜田と競争相手は多いだけに今後もこの選手にとっては厳しい状況が続きそう。逆に今日スタメンに抜擢されたGK飯倉はチームも勝ったし榎本には無いフィードの早さとかでインパクトのあるプレーだったので、今後ポジションを確保するだろう。