リオそして東京に向けて

 今回のU23代表を評するなら、大会の雰囲気に慣れるのに時間が掛かり過ぎた、これに尽きる。2戦目の後半に藤春がOGした後にようやく吹っ切れたがそれまでの7失点が最後まで重く圧し掛かった。ナイジェリア戦、コロンビア戦のどちらかであと1点取っていればGL突破していただけに勿体無さ過ぎる。

 ナイジェリア戦後にも書いたが、藤春、塩谷ら88年生まれ世代を始め、86世代以降の中堅世代(87〜92年生まれ)の停滞が代表、クラブの国際舞台で結果を出せなくなっている主因だろうな。そうした停滞を打破するには何よりも国際経験を積む他無いが、その手段はやはり海外移籍になる。その意味で宇佐美が今季どれだけやれるのか興味深いし、U23世代の南野、久保もクラブで二桁ゴールを決める位の活躍を見せて欲しい。

 今回の五輪メンバーでは唯一岩波だけが出場機会が無かった。植田、塩谷に続くCB3番手という位置付けだったからだが、植田と共にこの94年生まれのCB2人には是非代表入りを果たして欲しい。思えばU17代表ではこの2人がCBコンビを組んでU17W杯ベスト8入りを果たし、U19代表時代はアジアユースで岩波はレギュラー、植田は控えだった。そして今回は植田がレギュラーで岩波が控えと。同世代のライバルがいてこそ選手は伸びるものだし、この2人には期待している。

 気は早いが次回の五輪について。今回のチームは全体的に遅咲きの選手が多かったが、東京五輪世代(97年生まれ以降)は現時点で出場機会を得ている選手が多い。まぁ選手個人の才能という面もあるが、上の世代が若くして台頭すれば直後の世代はその分だけ割を食うし、その逆もまた然り、という事でもあるとは思う。
 今季のJ1で一定の出場機会を得ている選手は下記の通り(96年度の早生まれも含む)

中山 雄太(柏)  18試合2点 ※早生まれ
遠藤 渓太(横浜M)16試合
邦本 宜裕(福岡) 12試合1点
森 晃太(甲府)  11試合
神谷 優太(湘南)  9試合
三好 康児(川崎)  9試合 ※早生まれ

またこれ以外にも福岡の冨安健洋、G大阪の堂安律は98年生まれ(現高3)で既にJ1で試合に出ている。これらの選手を上手く組み合わせてまずは今年のアジアユース(U19)を突破し、来年のU20W杯に繋げて欲しい。