キリンカップ 日本×パラグアイ(埼スタ)


 観衆に比例してあんな試合になるのか、ああいう内容だから観衆も“それ相応”になるのか、それとも何か『代表力』なるもの(があるとすれば、だが)が減退してるが故に観客数も内容もそれに準じるのか、まぁ何が真であるかなどはこの際どうでもいい。


 中村(俊)はさすがにコンディションが万全でなかったし(フル出場するとは思ってなかった)、山瀬も今日は空回ってた。長友はトラップや相手との間合いに苦戦してたし、攻撃で光ってたのは松井がたまに魅せる個人技ぐらいだったか。とにかく個々の技術が点に止まってそれが線、面に繋がっていなかった。だが、この試合終了の瞬間、いやそのもっと前から虚脱感に塗れてたのはそれが理由ではない。もっとチーム全体の動きとかそういう部分でだ。


 例えば自陣深くでボールを奪ったとする。そこからパスを繋いでボールがハーフラインかそれよりやや敵陣内に達した時、パスを受ける選手は殆ど横、もしくは自陣寄りを向いていた。それは味方の押し上げが遅いからでもあるが、一方でボールを受けてから体を相手ゴールに向けるコンマ何秒の間に相手はパスコースやスペースを消してくるのでさらに選択肢は狭まって、結果相手ゴールから離れた所でボールを回さざるを得なくなってしまう。岡田氏になってから本当にチームの重心が下がった。攻撃する時も常に後ろを気にしているというか。


 予選という真剣勝負を考えたら守備に気を使うのは当然ではあるし、今日は前の試合に出なかった面子中心のある意味寄せ集め的布陣だったから6/2にはまた変わってるかもしれない。思えば3年前のキリンカップでは最終予選の山場を前にしてペルーとそれからUAEにも負けたが、バーレーン北朝鮮に完勝して予選突破を決めた。親善試合と公式戦は別物、最低な試合の後に素晴らしい内容が来たりする、なんて事がままあるのは分かってるつもりだ。けど、今日はわざわざ午後半取って行く試合では無かった。結局それか。