天皇杯決勝 G大阪×柏(国立)


 昨年の寒々しさとは打って変わって快晴の下での決勝。
 試合が始まると最初から柏が攻め、ガンバが受けに回る構図。ガンバはTVで視た準々決勝(25日)では前半のみ優勢で後半押され気味、そして29日の準決勝では前半途中でマリノスが押し始め、ときていたので、チームとしての疲労度がよく分かる展開だった。個々人を見ても橋本、遠藤などは普段取れるボールが取れなかったり、枠に行くはずのシュートが完全に外れたりと、ギリギリの所で戦っているのが見て取れた。だが、柏の方もサイド基点に攻める意志は強いのだが、一人一人の技術やチームとしての攻め方が今一つ工夫が無く、決定機を作るまでにはいかず、そうしているうちにガンバの方も息を吹き返してボールポゼッションを徐々に高め、かといって疲労で最後の壁を突き破る力までは無い、といった感じで試合は完全に膠着して0−0のまま延長へ。


 この頃になると段々と寒くなってきてPKは勘弁と思い始めたんだが、延長でようやくガンバ最初の選手交代で播戸投入。それまで全く選手交代が無かったのが不思議で、もしかしてこれはこの試合を観に来ている協会会長への当て付けなんじゃないかとすら思ったんだが(笑)、その播戸が決勝点を奪ったのを観て脱帽。この勝ち方は2年前の浦和とガンバの試合を思い起こさせる。あの時の浦和と今年のガンバとでは戦い方に違いはあれど、どちらも苦しい時の勝ち方を知ってるという点では共通している。そしてそのまま試合終了。


 まぁまたガンバがACLの舞台に立つのはJのベストな4チームが出るという意味においては良かったんだと思う。けど、久々のタイトルに懸けるクラブの熱意の発露(exコレオグラフィ)を観た後でのこの結果には、どこかやるせなさも感じたのだった。