親善試合 日本×パラグアイ(日産)


 今日の対戦相手が決まった時点で試合はどちらかというと祭りに近いものになる予感はあったが、祭りが祭りらしくなる為にはピッチ上のパフォーマンスが大前提な訳で、そういう意味では理想的な試合だった。


 こんな、まるで祝祭の様な代表戦は何時以来だろう?この試合に関しては戦術がどうの、内容がどうのと言うのは野暮な話で、振り返ってまず思い浮かぶのはスタジアム全体に広がっていたあの雰囲気。試合前に選手がアップしに登場した時の、あの大歓声だけで、今日の試合がこれまで(の4年間)とは違う雰囲気を纏っているのは感じられたけど、極論すればあんな雰囲気はジーコの緒戦以来なんじゃないだろうか?3ヶ月前のあの日韓戦が遠い昔の様。


 ここで一応このblogらしくピッチ上の出来について振り返ってみると、まずはスタメン中海外組が7人というのに驚かされた。これまでは攻撃の選手ばかり海外に行っていたが、気が付けばGKと両サイドバックまで欧州でプレーする時代になっていた。それ以外の国内組4名も決して脇役という訳ではなくて、守備の中心と攻撃の基点(中澤、中村)だし、その他2名も親善試合らしくお試しモードでセンターバックのバックアップ候補(栗原)、初代表(細貝)とバランスが取れた布陣。
 個人で言えば長友のプレーは本当に凄かった。W杯前からスタミナ/運動量があるのは分かってたし、W杯では粘り強い守備力を見せたけど、今日はそれらに加えて信じられない位のスピード(加速力)+高精度な左足クロス。多分この半年、いや3ヶ月で一番伸びた選手なんじゃないだろうか。W杯みたいな大舞台でそれまでよりワンランク上のプレーを見せた選手(今日一緒に見た某友人曰く“マリオのスター状態”)というのは大概にして、大会後は反動でスランプになったりするものだが、この選手はあのレベルを維持したまま今でもさらに伸びようとしている。セリエAに行ったのも、戦術理解力や身体能力を伸ばす上で+だったと思うし、あまりに順調だから、今度はそのバックアップ探しが心配になる位だ。
 その他細かい事を言えば、香川は左サイドより1トップの後ろの方が活きそうだけど、そうなると本田の場所はどうするか難しい選択だとか、中澤、闘莉王に続くCB候補は今後も募集継続確実、というのはあるが、今日はとにかくW杯後の緒戦を勝ったのが全てだったと思う。これからまた4年間山有り谷有りの時間を過ごすのだろうという予感はあるけど、それはそれで楽しい時間でもある――そう思わせる試合だった。何より土曜開催ってのが最高だわ(笑)