息の長いキャリア

 松坂が肘の手術をして復帰は1年以上後、というニュースに、やはり高校時代に肘を酷使した投手は消耗も早いのかと。200勝て2000本安打よりハードルが高いけど、20代で100勝した松坂なら達成できるかと密かに期待してたんだが、今後桑田級にストイックな調整でもしない限り、もう同じ球は投げれないかもしれない。それにあれだけ完璧なコンディショニングをしていた桑田でさえ、選手生活は長かったけど200勝には届かなかった。
 やっぱ10代の頃に負荷を掛け過ぎると、20代は若さで乗り切れても30代で一気に反動が来るんだろうな。夏の炎天下でPL相手に延長17回完投とか、「甲子園」て付くだけで伝説になるけど、普通に考えたら狂気の沙汰としか言えない。今でもよく覚えてるが、PL戦後にNHKのアナウンサーだか記者だかが(当然投げる前提で)次戦の意気込みを訊いたら「もう投げれません。。」て答えてそのインタビュアーが意外そうな反応をしていた。それが当時の(今でも?)一般的な反応なのだろう。(結局次の明徳戦は控え投手が先発したけど打たれまくってリリーフ⇒逆転勝ちというこれまた伝説の試合。)
 ユース年代での酷使が後に影響を及ぼすという意味では、競技と国を越え、サッカーのザマーとイェレミースも似たものを感じる。この2人は運動量豊富かつ技術も備えたいかにもドイツらしい選手で好きだったけど、30前後で急に怪我(特に膝)が増えて、若くして引退してしまった。どちらも旧東独の育成システムが生んだエリート(の最後の世代)だけど、かの地ではユース世代は膝に負担の掛かる堅いグランドで長時間練習していたから、年を取ると無理が利かなくなって怪我がちになった、て当時は言われていた。それは肘と膝の違いだけで根は高校野球と全く同じ。
 こういう練習は一方で、基礎が身に付くと言うメリットもあるんだが、(サッカーなら両足で均等なキック、野球なら状況に応じた打撃とか走塁、後は守備動作etc)観てる方としてはそれまで第一線だった選手が急激に衰えたり怪我がちになって引退して行くのは寂しいので、やはり息長く活躍して欲しい。そういう意味でサネッティとかギッグス、後はラウールは20年トップレベルにいるだけで凄い。まぁ2番目の人はピッチとは別で晩節を汚しまくってる分一概に良いとは言えないが(苦笑)
 いよいよ三十路が近付いてくると、こういうニュースには敏感になる。