J1第1節 柏×横浜M(日立台)


 まだ3月だが、観戦年間ベストマッチとベストゴールに間違い無く入って来るであろう試合。
 昨日と同じ様な天候を予想して同レベルの防寒対策をしていったら、スタジアムに着く頃には陽が射してきて暑い程でこれぞ観戦日和という雰囲気。日立台は今年から増築されてホーム・アウェイが入れ替わったのだが、新しいホームゴール裏はNACK5に似たイメージだった。

 あまりに激しい試合でどこから書けば良いか困るが、↑のベストゴール候補2つについて振りかえってみる。
1点目はマリノスが2−2に追い付いた齋藤のゴール。この選手もマリノスのユース上がりが直面する事例に洩れず、デビュー当初は恐いもの無しの思い切りの良さで活躍するも、時間が経つと研究されたりチーム戦術の無さの犠牲になって徐々に出番を減らしていくパターンだったが、今日は開始早々からスピードを生かして左サイドからチャンスを作り、最初から『試合に参加』していた辺り愛媛で鍛えられたのが観て取れた。で、このゴールなど見て思うのは、時代が時代だからメッシに例えられているんだろうけど、デビュー戦を観た時の印象通りタイプとしてはオーウェン(勿論全盛期の)に近いと思う。間近で見ると小柄ながら体幹が思ったより太いのに驚いたが、精神的、肉体的についにJ1で戦える選手になった事を実感した。
2点目は柏が3−2で再びリードしたR・ドミンゲスのゴール
 ゴール前をガラ空きにしたマリノス守備陣も相当だったが、それにしてもあの場面であのシュートを選択するかと。ゼロックス杯でもそうだったが、感嘆とはこのような時に出るものなのだと思わされる。この選手のチャントは元ネタが“恋のフーガ”だけど、普段のんびりピッチを歩いていながら、スイッチが入った瞬間に超絶技巧を見せるプレースタイルと、哀愁を帯びた歌謡曲が妙に合ってる(笑)

 この2ゴール以外にも、柏が去年対戦した時よりさらに鋭くなった連動性溢れるショートカウンターとか、マリノスも押されながらセットプレーや個々人のセンスで同点に追い付く粘りとか、現状で出来る事全てを出し尽くした感があって、本当に良い試合だった。今日で丁度震災から1年が経つが、去年の同じ日から4月末までJは中断されたのだった。今年は昨日述べた震災前最後の観戦の様に、平穏な週末が毎回来る事を願って止まない。