ACL準々決勝第1戦 川崎×浦和(等々力)


 一昨日、つまり週明けの月曜に何気なく試合日程を眺めていると、今週水曜にACLが等々力であるのを知った。日本勢同士のトーナメント戦もなかなか無いなと思い、平日等々力行を即決。直前だったのでメインスタンドで席が残っていた南側(アウェイ側)の2階席を買ったのだが、来てみると周りはほぼレッズサポだった(苦笑)ACLは座席の無いテラスは入場禁止のため、等々力の両ゴール裏1階は閉鎖されており、レッズサポのコアはバクスタ寄りの一角に固まっていたのだが、声量はいつもの浦和だった。それはコアだけでなく着席しているゴール裏2階や自分が座っていたメインのアウェイ寄りの人々が寄与するところが大きい。この人達は普段埼スタのメイン、バックにいるのだと思うが、そういった人々の(個々の声量や人数そのものの)厚みは他クラブに無い要素だと思う。

 試合についてだが、序盤から川崎が攻め、浦和が守るという展開が続いた。浦和を観るのは開幕戦以来なのだが、アウェイでの第1戦故にまず失点しないことを優先させた、という事も考えられたが、それ以上に攻撃の淡泊さが目に付いた。関根は移籍、宇賀神は負傷から回復が間に合わず、R・シルバ、武藤をベンチに置いて、柏木もウォームアップ中の負傷で急遽スタメンを外れる(青木が代わりに入った)というメンバー構成ではあったが、パス回しのテンポが悪くて自陣でボールを奪ってもそれが相手陣内深くまで繋がらない。今日のスタメンでパス能力が高いのは矢島だったがポジションは2列目でそこまでボールが来ない事が多かった。やはり中盤深くでボールを左右に捌ける柏木の不在は大きかったかな。
 一方で浦和のパスのぎこちなさは川崎のパスがスムーズだったが故に余計にそう見えたという面もある。川崎はフルメンバーだったのだが、前半半ばに中村憲剛の突破から最後は小林が合わせて先制。中村が左サイドゴールライン近くで一人股抜きして突破し、フリーで中央に折り返した時点で勝負ありだった。引いて守備を固める相手にはやはりこういう個々人の一瞬のセンスが打開の鍵になるな。
 今日の川崎の中盤から前はエドゥアルド・ネット、大島、中村、阿部、家長、小林を置いた布陣だったが、観ていてドイツW杯のアルゼンチンを思い出した。当時のアルゼンチンはペケルマン監督がユース代表で育てたカンビアッソリケルメアイマール、M・ロドリゲス、テベスサビオラといった選手達を中心に(この国の十八番である)激しさだけでなくテクニックでも魅せるチームだったが、技術のある選手達が上手く融合してバランスを保っているという点で似ているなと(まぁアルゼンチンにはマスチェラーノがいたが)。
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ドイツ大会セルビア・モンテネグロ戦でパスを繋いで繋いで崩したカンビアッソのゴール。94年大会ギリシャ戦のマラドーナのゴールと並んでアルゼンチン代表のW杯ゴールで印象深いものの1つ。

 後半も開始早々に川崎が追加点を挙げたのだが、半ば頃になると徐々に浦和が押し込み始め、オフサイドラインギリギリの所を抜け出した武藤(後半から出場)が決めた。このゴールを含む前後10分は浦和の時間だったな。もう1点取っていれば2-2だったが、次のゴールの決めたのは川崎だった。家長が左サイドを突破して柔らかいクロスを上げてそれを小林が頭で合わせて3-1。これでほぼ試合は決し、その後も浦和は攻め込むが決定機は作れず試合終了。それにしても川崎の3点目をアシストした家長は後半はほぼ消えていたのに残り5分という時間であのプレー。重心の低い、吸い付くようなドリブルといい、技術がある強味を見せてくれた。

 帰りは別で観ていた友人と合流し、新丸子駅まで。