J1第16節 横浜M×神戸(日産)


 今月のマリノスのリーグ戦は全て日曜開催。14〜16時開始ならまだしも夕方以降の試合になると翌日を考えてしまい、また今は梅雨時なので雨が降れば外出には腰が重くなる。先週のFC東京戦がまさにそうで、味スタでのこのカードに行かなかったのは東京がJ2だった11年以来。その前も05〜10年と毎年行っていたのだが。

 それはともかく今節だが、今日もあまり宜しくない天候ではあったが雨雲の塊は南に逸れたようで傘要らずで済んだ。マリノスは清水戦からリーグ戦3連勝中。一方の神戸はリーグ戦では序盤好調だったがその後は勝ったり負けたりを繰り返してやや停滞している。今日の神戸のスタメンを見て、4月にマリノスルヴァン杯で対戦した時のメンバーが多いなと思ったのだが(6名同じ)、あのルヴァン杯は直前のリーグ戦から9名入れ替えた控え中心の布陣だったのを考えれば、つまりは序盤の好調時のメンバーと今日とではメンバーが大きく変わったということ。それでもネルシーニョなら相手の嫌なところを的確に突いてくるだろうとは思った。
 試合展開は前半はほぼ互角だった。マリノスはカウンターや個人の突破でチャンスを作るというのはこれまでと変わらず、神戸はボールを左右に振ってサイドから攻めていく。特にマリノスの左サイドは栗原負傷でスタメンに入ったパク・ジョンスと守備力があるとは言えない山中だったので、そこを突いてきた。特に印象的だったのは神戸の右SB藤谷で、先日のU20W杯でも最後はレギュラーを確保していたが、生で観ると想像以上にスピードのある選手だった。何度かマリノス陣内にオーバーラップしていたが、あのマルティノスの追走を受けてもそれを振り切ってクロスを上げるだけの速さがあった。この藤谷など神戸はサイドから何度かクロスを上げていたのだが、そこの精度を欠いてゴールには至らず。観ている方も予想が付くような練習通りのサイド→中央折り返しという形は少し単調で、中央を固めるマリノスの守備相手ならもう少し中の動きを工夫するとか、サイドに振ると見せかけて中央からミドルとか、裏をかく動きが必要。
 後半は開始早々にマリノスが先制した。山中がサイドライン際からグラウンダーで折り返して中町が合わせた形。神戸に必要だったのはこういう動きだったな。マリノスは先制さえすれば相手は前掛かりになって、カウンターの威力が増すのだが、今日も何度か決定機を作り出した。だが、何度かあった1対1を神戸のGKキム・スンギュが止めて追加点を奪えない。仕事柄Jの試合を自分以上に観ている友人が「(Jの韓国人GKの中でも)この選手は別格」と言っていたが、それが良く分かるプレー内容だった。とにかく1対1になっても無闇に動かないんだな。足は止めていても体が大きく揺れて相手に逆を突かれるGKもいる中でゴールに蓋をするように動かないので結局相手はシュートを“打たされる”形になる。相手に飛び込む時もしっかりボールに触れるので倒してPKにはさせないし、反応力、判断力を含めた総合力ではリーグトップレベルだと思う。後半半ば過ぎにウーゴに追加点を許したのだが、これも一度1対1を防ぎ、そのこぼれがウーゴに当たってそのまま入ったもの。
 こうして2−0でマリノスが勝利し、リーグ戦4連勝と。やはり守備が安定しているというのが大きいな。一方で齋藤は今日もノーゴールに終わり、未だ公式戦でのゴールが無い状況なのだが、去年ゴールを量産していた時を思い出すと、ドリブルから自分で持ち込むパターンよりもエリア内に飛び込んでワンタッチで合わせるパターンの方が多かったし、そういうパターンがあったからこその二桁ゴールだったと思う。今はサイドに張る事が多く中に入るシーンからして少ない。それが監督の指示なのかもしれないし、もしかしたら“自分がチャンスメイクしなければ”という責任感故からなのかもしれない。そういう意味では10番&キャプテンを背負った(背負わされた)デメリットが大きく出てしまっているように思うが・・・。この選手が他の選手にパスを出すだけで無く“自分にパス、クロスを通せ”と言えるくらいのプレーの方が個人にとってもチームにとってもメリットは大きいように思う。

 これで今月のリーグ戦は終わり。来週は4年ぶりのNACK5なので雨が降らないのを祈るばかり。