J1第15節 横浜M×長崎(日産)


 中断前最後のリーグ戦で、4/8から続いた毎週のホーム戦もこれで一区切り。今日は長崎の高田社長が来ているということだったが会えず。思えばトランスコスモススタジアムに行ったのは丁度1年前、去年の5月だった。経営陣が変わってから初めての試合で、高田氏が試合前に挨拶したのは覚えているが、あの時はまさかJ1に昇格(それも2位の自動昇格)するとは思わず。だからこそ旅行で寄ったのだが、あれから1年で昇格、J1経験豊富な地元国見OBのベテランの補強、長崎駅近くでの新スタジアム計画と強化、運営両面でスピード感を保ちながら適切な判断を下している印象が有る。
 そう言えば長崎は初の日産スタジアムでもあったかな。コンコースには過去このスタジアムで決まったマリノスフリューゲルス横浜FC、代表の全ゴールが掲示されているが、このスタジアムで試合をしたチームの記録もあれば面白いと思った。日韓W杯、クラブW杯、Jリーグ、ACL等々国内外のクラブ、代表チームがここを訪れているので、その一覧が分かるレリーフなり、モニュメントなりがあれば箔が付くというもの。ドイツ、ブラジル、バルサ、R・マドリー、マン・U、リバプールチェルシーミラン、ボカ、リーベルコリンチャンスetcこれだけのチームが公式戦を戦ったスタジアムも世界にそうないはずだし。

 で、試合について。マリノスはCFに大津で両サイドは遠藤、仲川という構成だったが、ここからこの試合の位置づけが何となく見えてきたようにも。勿論負けて良いはずは無いが、今日の試合で確実に勝点3を獲るには少なくともウーゴか伊藤翔がスタメンだと思うが、ウーゴがベンチ、伊藤翔ベンチ外、大津がスタメンてのはそういう事かと。結果として大津はPKで1点決めたが、今後カップ戦、リーグ戦で落とせない試合、勝利が必要な試合で起用されることは無いかな。マリノスのサッカーが日本で他にあまりないとかいう以前に戦術理解力が低すぎる。自分と相手DF、自分とパスの受け手、出し手、それで完結してしまっているというか1対1の個人競技をしているようにすら見える。この選手が前所属の柏や欧州でスーパーサブ以上では無かったのはこの辺りに原因がありそう。
 試合は長崎が左サイドを上手く崩して先制し、大津のPKで追い付かれるも後半早々に2点目を奪うという予想外の展開に。まぁそこからマリノスが4ゴールを奪うのだが、長崎はいいチームだった。個々の選手を比べれば過去2戦で戦ったガンバ、名古屋に及ばないが、チームとしての怖さはそれ以上にあった。しっかり中盤でパスコースを切ってボールを奪ってカウンターという意識が徹底されていたのは磐田戦を観るようだったし、監督の力を感じさせた。思えば高木氏はマツダサンフレッチェに在籍していたが、このチーム(特にJSLのマツダ時代も経験している人)には優れた指導者が多い。森保氏、風間氏、J2首位大分の片野坂氏、先日甲府の監督に就任した上野氏、後はU16代表の森山氏など。やはり元総監督今西さんの功績は偉大だったということか。

 1-2されてからマリノスは4点取るのだが、特に仲川の2点目(チーム3点目)が素晴らしかった。右サイドからドリブルで中に切り込んで左足でニアを突くシュート。このサッカーのサイドアタッカーに求められるプレーを体現したゴールだった。仲川の1点目もそこに詰めていたという点では良かったが、ドリブルでチャンスメイク&ゴール、サイドはこれが出来るかどうかと言っても過言では無い。
 結果5-2という事で、飯倉があまり上がらなかったという点を踏まえても徐々にバランスを見つけ出しているというのは感じられた。6月上旬にルヴァンのプレーオフ天皇杯はあるが、この中断期間中にまた序列の変化や選手の入れ替えはありそう。