J1第18節 横浜M×清水(日産)


 先月台風で順延となった試合。ここ数年平日の試合は基本三ツ沢開催なので、日産は久々だな。ピッチから客席は遠ざかるが、屋根があるので今日みたいなにわか雨予報の日は安心する。観衆は15,000程だったが、清水サポは結構来ていて、試合前の暗転時にはオレンジに光る密集地帯を見せてくれた。チームによってこの暗転に乗るところ乗らないところがあるが、清水のこの数は過去最高だな。

 試合は1-2で逆転負け。後半早々に逆転された後はかなり押し込んだが途中PKを取って貰えない不運などもあり再逆転は成らなかった。今日はCBの畠中、チアゴ、FWの久保を(マリノスとして)初めて観たが、CBの2人は高さ、強さに足下も安定した好選手だった。特にチアゴはスピードもあり、カバーリング時は確実に相手に先んじることが出来るので、現時点でJ最高レベルのCBだと思う。ドゥシャン含め3バックは全員途中加入なので細かい連携までは出来ておらず、今日の清水の1点目も3バックの両脇、サイドハーフの裏を狙ったものだった。まぁこれは時間を掛けて熟成させるしかない。久保は今日は清水に上手く対応されてあまり目立たず。ボールを持って仕掛けても清水に常に2~3人で対応され、ドリブルをカットされるシーンが多かった。前節もゴールシーン以外はそれほど目立っていた訳では無いし、現時点ではダイアモンドの原石という段階だな。

 時間を掛けて、と書いたが今のマリノスにはその時間が足りない。これが開幕戦なら期待が持てるが、今はもうリーグ戦残り10試合という時期で、連携を深めつつ勝点も取っていかないといけない。今日みたいな試合なら最低限追い付いて2-2にする必要があった。最近はこれまでのようにウイングを置かず、1トップの後ろに2シャドーを置く試合が増えているが、どのような構成にしろ、今のマリノスにはアシストだけで無く自ら点も取れる中盤、2列目のアタッカーが不足している。仲川と久保くらいかな。先ほど書いたように久保は未だダイアモンドの原石であってあまり無理をさせてはならないが、一方で監督の求める動きを一番体現出来る(可能性を持つ)ので起用し続ける他ないという。このアンバランスさが裏目に出なければ良いが。

 今日の主将は意外にもウーゴだったが、試合中味方を鼓舞するシーンが印象的だった。またドゥシャンも退場してしまったが、バルカン半島出身らしい熱いプレーを見せてくれた。このように外国人選手達がチームの状況を変えようと気迫を前面に出す中で、日本人選手、特にユース出身者の大人しさが逆に目立ってしまう。喜田は将来良いキャプテンになりそうな雰囲気があるが、それより上の世代が。常々感じているマリノスユース出身者のスマート過ぎるほどのスマートさがこういう状況では弱みになっているようにも。