ナビスコ杯決勝 鹿島×千葉(国立)


 今日は午前中に出社し、午後から国立に向かうつもりだった。土曜なんて昼に起きるのがデフォだが、たまに早起きして外に出ると、抜けるような青空の下で午前中から活動する事がこんなにも爽快なのかと思う。こう天気が良いと、試合に対する期待感も自然と膨らむというものだ。
 
 仕事もそこそこに国立に向かうと、場内は聖火台を分岐点にホーム側の赤、アウェイ側の黄色で真っ二つに色分けされていた。思うにこの2チーム、特に鹿島は本拠地より首都圏の方が圧倒的にサポの数は多いんだろうなぁ。

 試合は一進一退という感じで前半を0−0で折り返した時は一昨年、去年と同じくまたスコアレス→PKという展開が頭に浮んだ。ただ、サッカーの質は千葉の方がどう見ても上だったように思う。鹿島はカウンター、もしくはサイドを個人技で突破してクロス、というわりと単純な攻めパターンだったのに対して、千葉は中央、サイドに偏らない攻めで、クロスを上げる時も単に放り込むだけでなく、切り返したり、高さを使い分けたりと色々パターンがあった。後半のある時間帯は鹿島が野沢の個人技等で惜しいチャンスを作っていたが、千葉の坂本が左サイドで目立つようになってきた辺りからまた流れが変わり始めた。
 そして試合も残り10分という時間に、坂本から逆サイドの水野へサイドチェンジ、突破してクロスかなと思ったがそのまま思い切ったシュート、これが決まって千葉先制。その2分後にもコーナーから阿部が決めて試合をほぼ決めた。それにしても阿部は最近コーナーでよく点を取るよなー。しかも大体DFの後ろから走り込んで頭1つ抜け出して決めるパターン。意外な才能を見た思い。
 で、試合終了、千葉の連覇が決まった訳だが、鹿島は今後数年はタイトルは取れないだろうなぁという思い、強者で有り続けた時代は完全に終わったという事実を見せ付けられ、感慨深かった。02年に浦和を破ってナビスコを取った時は、まだ盟主の風格があったと思うが、翌年、同じ浦和に決勝で完敗した時にゆっくりと衰退への道を歩み始めた気がする。04年には圧倒的に分が良かったホームで浦和に敗れ、今年はクラブ世界一の監督を迎え、柳沢を復帰させたにも拘らず、もはや盟主の面影は完全に無くなった。準優勝メダルをすぐに外した大岩や、表彰台で手を突いてうなだれた深井の姿が印象的。ナカタコを復帰させようとしているらしいが、あまり根本的な解決にはならないと思うのだが・・・
 千葉はほんの5年前は残留争いをしていたにも関わらず、今やカップ戦連覇。ナビスコ決勝だけ見ても、Jの勢力図の変遷が現れている。また来年も行きたい。