奇遇 ×3

 ――火曜日
 帰り道、最寄駅の階段を下りながらふと横を見やった時にすれ違った人間が知り合いに似ていたのだが、まさかここに居るはずは無いと思ったし、確認しようと視線を横に向け続けてもそれはそれで危ない画でこの御時世危険人物と誤解される可能性も無きにしも非ずだったのでそのまま階段を下ったら後ろから呼び止められた。
 衝撃の大半は偶然会ったという事実そのものよりも、完全に油断しきった隙だらけの状態である地元で、という事が占めている。あの某巨大モールが出来てからまったく油断ならない事だ。ただ、これもまた偶然なのだが、出くわした数分前にまさにその人物に大会の勧誘メールを投げていたので、その場で出場の意思を確認出来、余計なメールのやり取りをせずに済んだ。優勝に近付いた瞬間だった。


 ――今日
 朝電車に乗っていると、途中駅でFC.bossチームマネージャーが乗ってきた。毎朝家を出る時間で乗る電車も前後するし、乗車位置も変わるのに、これで2度目だ。短い時間ではあったが、チーム編成、方針について会談し、それはメールor電話を何度交わすよりも有意義な時間だった。これでまた一歩、タイトルに近付いた。

 そして午後、部署も関わっている展示会を見にビックサイトまで行った帰り道、呼び止められたその視線の先には何と■ーソンの橋が。同じ業界だとは知っていたが・・・。人通りの多い場所ではあったが、その場で名刺交換し、彼の会社が出してる製品のパンフまで貰ってしまった(笑)周りの人間は働き始めると大概それなりの社会人オーラを出すものだが、彼はあの頃と変わらないな。もう夕方だし直帰しようと思ったら社まで戻る羽目になった矢先だったので、心なしか気分も晴れた。




 基本的にon/offはしっかり区別するべきと思ってる。昼間会社で働いて、定時を迎えたら観戦モードで国立へ、とか。だから、こういうまさに会社モードの時に出会ってしまうと、その境界が崩れさるような気がするので出来れば避けたい所ではある。ただ、一方のモード(99%それは会社の方なのだが)で何か行き詰まり、停滞が続いた時ならば、逆に良い気分転換になるものだ。
 偶然が3発も続いた中で、ふとそんな事を。