ナビスコ杯決勝 FC東京×川崎(国立)

barcaw2009-11-03
■試合前
・雰囲気を体感したかったし、席も確保しないといけなかったから早く行くつもりが前日のホッピーが効いて寝坊した。
・しかしナビ決勝は毎年天気が良い。今日も抜けるような快晴。ただ、寒い。
・選手紹介前に両クラブとも煽り映像を流す。どちらも映像そのもののクオリティも高いが、こういうメッセージのセンスもある。多摩川クラシコでお互い意識しあってきたのが良い意味で相乗効果を生んでるんだろうなぁ。
・そして入場時のコレオグラフィー。コレオはどのクラブも回数を重ねる毎にデザインが洗練され、複雑になっていくものだが、川崎は2年前の水色一色から今回は青黒縞模様+星。一方の東京は験を担いだのか04年と同じ上下青赤。ただ、今回はシートではなく風船?だった。


■前半
 どちらも慎重な試合運び。特に川崎は中村ケンゴがボールを持ったらすぐさま前方にフィードしたりとリスクを考えたプレーが多かったが、少し単調だった。やはりこの選手がドリブルで突っ掛けたり、左右にパスを散らしたりしないと攻撃のリズムは生まれないし、実際そうし始めた辺りから川崎の時間帯になっていった。そして最初のビックチャンス、谷口がGKと1対1、シュートは阻まれたがサイドに流れてジュニーニョにクロス―――あとは入れるだけ―――しかしボールはバーの上を越えていった。
 それでも川崎優勢だったが、そんな中で東京が先制。米本のミドルは無回転だったけど、川島なら弾き出せたはずと思うが・・・。先制後、川崎はサイドバックが深い位置でボールを貰えず、ハーフラインを少し越えた辺りでボールを受けるのだが、そこから先は東京がしっかりブロックを作っているのでなかなか前に進めない。逆にボールを奪ってカウンターを仕掛ける場面が増えてきた。川崎が押してはいるが、主導権は明らかに東京の流れのまま前半終了。


■後半
 後半も川崎が攻め込む時間帯が続いたが、どうも最後のフィニッシュの所でドリブルが少し長かったり、選手間の呼吸が合わなかったりで決定機と呼べるものはなかなか作れない。そんな中、東京がカウンターで抜け出し、左サイドから鈴木がクロス⇒平山ヘッドで追加点。カウンターのお手本のような綺麗な流れだった。
 もう攻めるしかないので川崎は田坂、黒津、そして最後は左SBに登里を入れて総攻撃。サイドを何度も突破してクロスは上がるんだが、東京の守備がとにかく堅い。権田も以前見た時はとても危なっかしかったが、今日はクロスを何度もパンチングで弾き返すなど安定した守備。時折東京もカウンターを仕掛けるんだが、焦ってとにかく前へ前へという感じではなく、しっかり周りを見てパスを繋ぐ視野の広さがあったから、多分守備でも“守りに追われる”という感覚でなく自信を持って守ってたんだろうと思う。
 そして試合終了。


■終わりに
 2年前程ではないが、やはり川崎は動きが硬かったかな。今季は6〜7試合と実はマリノスの次に観てるんだが(まぁナビスコで対戦したし。)リーグの好調時とは少し違っていた。それを言葉で表すのは難しいが、あまりに自分達の武器である前線の破壊力に拘りすぎて融通が効かないというか、慎重に行き過ぎて逆に自分達の良さを出せていないというか。反対にFC東京はその辺の柔軟性があって押されてもしっかり守り、そしてパスを正確に繋いで前に展開といういつも通りのサッカーを見せてた。カボレも石川もいないという事でもっと押されるかと思ってたが、想像以上にチームとして完成されていた。まぁリーグ戦となるとやはりこの2人の不在は痛いけど、1発勝負のカップ戦ならば。
 日本では大概MVP=決勝ゴール得点者、無得点PKの場合はGK、というのがお決まりで面白くないんだが、今日の米本は文句無し。特に試合終了間際の一番苦しい時間帯に相手に寄せに行ってボールを奪ったシーン(結局ファールを取られたはずだが。)が印象に残ってる。攻撃でも積極的に前に上がって行ったし、W杯メンバーは早くとも、W杯前に一度合宿で呼んでも良い位のレベルにある。しかし観る度に成長してるな。