versatile player

 今バルサBで監督をやってるルイス・エンリケ来季A・マドリーの監督になると。ここは監督の墓場なんで結果どうなるかはさて置き、今のチームでは就任1年目で2部昇格、2年目の今季は2部でも上位、というか昇格を狙える順位にいて(規定上Bチームはトップチームと同カテゴリで戦えないが。)順調そのものだけど、グァルディオラと違って現役時代はあまり監督向きのキャラには思えなかったから意外だった。ただ、この人の現役時代はあのポジションを問わない万能性(と背番号21)で有名だったんで、そういうタイプは指導者の素質があるのか、とも思う。


 万能性、と言えばほぼ同時期にバルサでプレーしてたオランダのコクーもL・エンリケ以上の万能戦士で、今PSVと蘭代表でコーチだからこの人もいずれPSVの?トップチームの監督になると思われる。左利きだったけど、やっぱり左右を問わずクラブでも代表でもセンターバックやアンカー、2トップの一角でプレーしてた。特にフランスW杯でのこのゴールが印象深い。本職FWと言われても違和感の無いこの動き(笑)あの当時のバルサはL・エンリケとコクーで両サイドバックサイドハーフ、場合によってはダブルボランチ、2トップも対応可能だったと考えると、ジョーカー2枚持ってたのと同じだったんだな。こういうタイプは得てして“器用貧乏”扱いされてしまう中で、この2人はそれを超越した存在だった。それでも2000年代前半のバルセロナはずっと無冠だったんだけど。


 こういう複数ポジションで本職と同等以上の働きをする選手は大好きなんだが、何故か日本だと代表クラスでこの手のタイプはあまり多くない。せいぜいトップ下の選手がボランチにポジションを下げるとか、アンカーとCB兼用可能とか位で。これが韓国だと昔から柳相鉄とか前も後ろも対応可能な選手が結構いる(いた)んだが。
 まぁそれでも今の代表だと長友は日本版L・エンリケになれる可能性が有るな。両サイドの後ろから前まで対応可能で、高校時代はボランチやってたらしいし、この前セリエAで決めたゴールもFW級の動きだった。代表では左SB専任だろうから、もう1人こういう選手がいれば。

【追記】
 後で思い出したが、トルシエ時代はよく本職ボランチをサイドに置いてたりして、ポジションの流動性は高かった。明神が右ハーフやってたりとか。中田浩二なんかサイドハーフとフラット3左も出来て、欧州行ったらいつの間にか4バックのCB、SBにも対応可能になってたし。