代表6月シリーズ雑感+メンバー予想

 かなり久々に代表戦の雑感などを。以前は代表戦があればTVで視た感想などをここで書くことが多かったが、最近はその場はtwitterになっており、ここはほぼ試合観戦記と旅行/遠征記(と年末の表彰系)に特化していた。まぁ今回は本大会を前にして12日間で4試合も見た(1試合は現地で)というのはあったし、140文字では書ききれないことも多く。基本的には特定の1試合ではなく4試合を総合しての雑感や本大会メンバー予想を。ちなみにメンバー予想という意味では、前大会直後に既に予想済みなのだが、
barcaw.hatenablog.com
これはこれで4年前にどう思っていたのかの振り返りなので、また別途。

  • ブラジル戦出場メンバーが軸

 この4試合から本大会メンバーを予想するならば、ブラジル戦に出たメンバーが軸かなと。勿論全員がそうだという訳では無いが、基本的には4試合で最も強い相手に出た選手達こそ森保監督にとって「ガチメンバー」であり、それはスタメンだけでなく途中出場した選手を含めてもそうなんだろうなと。特に終盤先制された後で柴崎、山根を投入したが、これは本大会の相手を考えれば可能性として大いに有り得る「終盤にどうしても1点欲しい」状況で誰を出すのか、ということなので興味深かった。山根はチュニジア戦でもリードされた終盤に途中出場しており、攻撃をテコ入れするためのSBとして考えられているのだろう。

  • 右SB長友

 SBという意味では長友は出場した2試合とも右だった。今季はクラブでそのポジション経験しているというのもあっただろうし、左の伊藤をテストする為にスライドした面もあったと思うが、このまま右が基本になるのではないかと思う。というのも左の伊藤がこのまま本大会メンバーになりそうなので。左:中山と伊藤、右:酒井、長友になるのではと。枠が23人ならSBに5人は使えないが26人なら山根も確実。

  • 吉田、遠藤の酷使

 チュニジア戦は吉田麻也が低調な出来でPK献上に連携ミスで複数の失点に絡んでしまい、遠藤もボールを持ったところを狙われてしまっていた。2人ともパラグアイ、ガーナ戦は途中交代したもののブラジル、チュニジア戦はフル出場。最後は五輪3決のメキシコ戦を思わせる、疲労感のあるプレーぶりだったが、CBの軸は麻也、中盤のアンカーは遠藤であって代えるに代えられなかったんだろうな。それは図らずも今回出場機会の無かった冨安、守田がその代役なのも明らかになったようにも。この2人がいれば上手くローテーションしてガーナ戦辺り休んでたかもしれない。特に中盤は攻撃やバランサータイプが多く、低い位置でしっかり相手の攻撃をフィルタリング出来る選手が遠藤と守田くらいしかいない。
 ただ冨安、守田共に今回に限らず筋肉系の怪我で欠場すること多いのは懸念材料。守田はアジアカップメンバーに選ばれて現地にまで飛びながらそれで大会を欠場した。冨安もプレミアで欠場多かったし。とにかく本大会を無事迎えられるのを願うしか無い。

  • 監督について

 今回の試合前後の会見やインタビューを見る限り、どうも以前と違う印象を受けた。吹っ切れたというか、これまでは周囲への気遣い第一で堅い内容だったのが、ストレートな発言が増えたというか。パラグアイ戦後の「W杯に出場する国とそうでない国の違いを示せた」という発言はこれまでに無いものでちょっと驚いた。予選を乗り越えて心境に変化があったのかもしれないし、あくまで推測だがメンター、アドバイザー的存在がいるのかもしれない。

  • メンバー予想

ということでポジション別に予想してみる。太字は確実と思う選手、+の後は候補で可能性が高いと思う選手から順番に記している。
GK:権田、川島+谷、シュミット、大迫
 森保監督は守備に関して基本的にはサイズを重視している節があって、シュミットは就任当初から呼んでるしかなり期待しているのだろうと思う。今回もGK陣で最多の2試合出場。ただチュニジア戦は守備陣との連携不足から失点し、1発ミドルも決められた。本大会は予選の正GKで近年安定感を増した権田がそのままスタメン、控えは経験豊富な川島が(南ア大会の川口がそうだったような)チームのまとめ役兼保険として入るのではないかと思う。3人目は同様にサイズがあり五輪で正GKだった谷の可能性もあるんじゃないかと。今回は大迫が選ばれていたが、4試合ともベンチ外だったのは監督を納得させるものが足りなかったのかなと。サプライズ枠としてU21代表の鈴木彩艶も一瞬頭を過ぎったがクラブでまだレギュラーではないのでさすがに無いか。帯同メンバーなら有るかもしれないが。

CB:吉田、冨安、板倉+谷口、中谷
 CBはまずこの3名は確実。とにかくコンディション良く本大会を迎えてくれ。4人目はここ最近の実績だと谷口が濃厚だけど、正直対人で強いイメージ無いんだよな。1対1に晒された時にその点不安なのだが、それでも今年招集されたCBが他に中谷で、今になって昌子や瀬古を呼ぶとも思えず・・。ただ現代表に多い川崎所属、出身者の1人としてあの独特なボール回しのリズムに対応出来るのは大きな要素。
※追記
書いた後植田がいたことを思い出した。ただ最終予選でも吉田、冨安欠場という中で起用されたのは板倉、谷口だったし、序列としては谷口、植田、中谷の順か。監督好みの高さあるCBでこの4年間召集回数は多いが出場歴はそれほどないんだよな。

SB:長友、酒井、中山、伊藤+山根、菅原
 上で書いた様にSBはこの4人は確実。伊藤はブラジル戦こそ出場しなかったが、それ以外全てフル出場。もはや本大会に向けて少しでも経験積ませる段階なんだろうなと。元々左SBは佐々木が長らく選ばれていたし、監督が高さや守備力のあるタイプを好む中で、高さがあり、ブンデス1部でレギュラークラス、そして若いというのは理想的。5人目として山根も入ると思うが、9月の代表戦で菅原が再度呼ばれるかもしれないので一応候補としておく。菅原は残念ながら負傷で今回出場機会無く離脱してしまったが、前のポジションもこなせる万能性が売りなので、山根と同じ役割が期待されていると推測。

MF:遠藤、守田、田中、原口、鎌田+柴崎、藤田
 このポジションは色々なタイプが混在しているので単にMFと一括りに出来ない面もあるが、予選のレギュラー遠藤、守田、田中碧はまず確実。そして前回の経験者で今や「ドリブルで前に運べるインサイドハーフ」になった原口も選ばれるはず。鎌田はチームに攻撃のアイデアと変化をもたらす起爆剤として入れておきたい。
 このポジションは今回選外だった旗手、川辺がいるが、本大会まで残り9月しか試合が無く、クラブでは丁度新シーズン始まったばかり(7月末~8月初旬開幕)でアピールの場は数試合なのは厳しいかなと。その他候補としては柴崎はブラジル戦にも出たし入りそうだなとは思うが、1人くらいサプライズ枠ということで笑、U21代表藤田譲瑠チマを挙げておく。中盤で攻守に機能するタイプだし、今やっているU23アジアカップでのプレーは別格。今の代表は433が基本だけど、東京世代を境にこの配置への慣れがまるで違うなと感じる。若い世代は3トップのサイドや中盤3枚に適応したプレーを見せるが、上の世代は2ボランチやトップ下を置く布陣が基本だった為か、どこか無理に合わせている印象がある。藤田はボランチ2人でも3人でも機能するし、マリノスでも欠かせない戦力になりつつあるので、ワンチャンあるのではないかという期待。

WG/2列目:伊東、南野、三笘+堂安、久保
 ウイングというかゴールに直接絡むサイド、2列目のアタッカー枠。右の伊東、そして南野は確実だし、三笘もこれまでの起用や実際のプレーから間違いなくメンバー入りするはず。スタメンでも途中からでも、アシストも得点力もあるというのはそりゃ監督も使いたくなるだろうなと。
 堂安と久保の選考はCFの人数に影響するようにも。26枠を前提としてCF+WGで8人と予想しているのだが、CF3人ならこのポジションは5人で両名ともメンバー入りしそう。4人ならどちらかが落選。堂安は最初のパラグアイ戦で積極的なプレーだったし、久保もガーナ戦で代表初ゴールだったが、全体的には・・・という感じ。ブラジル戦に出場したのは堂安だけだが、ボールを奪われてそのまま相手に攻め込まれるなどあまり良い出来では無かった。26枠だからこそどちらか入りそうということで、23枠なら2人とも厳しいなというのが率直な感想。

CF:前田、古橋+大迫、浅野、上田
 まず前田は入りそう。チュニジア戦は出番が無かったが、引いた相手にこのタイプは有効で無いという判断だったと思うし、それ以外の3試合は途中出場ながら出番はあった。スペイン、ドイツ相手ならブラジル戦でGKアリソンに寄せて場内湧かせたように、あの速さが活きるのではないかと。それこそ10年前のロンドン五輪スペイン戦で永井謙佑がそうだったように。
 古橋は代表のCFとしてまだフィットしていない感があるが、フィニッシャーとしての確実性は前田以上だしブラジル戦スタメンだったんでCFとして期待されてるのかなと。という中で浅野は速さなら前田がいるし、古橋ほど決定力が有る訳でも無いのが苦しい。ブラジル、ガーナ戦ではベンチ外だった。恐らくチュニジア戦も負傷離脱が無ければ上田がスタメンでテストされてたように思う。
 という中で3人目は異なるタイプとして大迫が戻ってくるんじゃないかと。あのボールの収まりは他の候補に無い武器なんで。上田は2トップ、あるいはトップ下でアシストしてくれる選手がいれば良いが、今の代表のサッカーだと持ち味が活きないんだよな。鹿島でも鈴木優磨がトップ下ではないが周りを幅広く動いてサポートする連携だし。

 ここまで太字の選手は19名。26枠なら各ポジション1~2名ずつ加え、23枠ならGK、CB、MFで1人ずつ、WG/2列目とCFの候補から1名という形になりそう。