J1第2節 FC東京×広島(味スタ)

  • 金J後の土曜

 金曜夜に試合観ると翌日もどこか観に行きたくなってしまう。今日近隣で開催されるカードを見ると、味スタでFC東京と広島のカードという事で、特に広島は開幕戦の試合内容が(新スタジアムの相乗効果もあってか)素晴らしかったのでちょっと観てみたいなと。
 飛田給駅に着くと構内は青赤仕様。

飛田給駅

基本的にスタジアムや最寄駅、地元自治体がチームカラーに染まるのは良いなと思ってるのだが、このスタジアムはヴェルディとの共用。その辺が難しいところではあるな。この辺りの「緑」はスタジアムに隣接するスポーツショップの壁面広告くらい。理想を言えば、それぞれが独自のスタジアム、それも専用のを持つべきだとは思う。

味スタ傍のゼビオ

 現地到着後はここでの「定位置」であるバクスタアウェイ寄りへ。着席した時に丁度選手紹介が始まり、その後ユルネバを経て選手入場。

選手入場時

 

  • 試合

 FC東京は監督がクラモフスキー、スタメンに仲川、遠藤と2019にマリノスが優勝した時の面々が名を連ねたが、試合は序盤から広島が押し気味ではあった。開幕戦でも感じたが、サッカーに無理が無いんだな。選手の配置が独特な訳では無く、スペースへの走り込みやボールを持つ味方へのサポート、頭でボールを処理する際も闇雲に跳ね返すのではなく近くの味方に丁寧に繋ぐ等々、基本を徹底したその積み重ねのサッカーという印象。前半から両サイド起点に相手ゴールに近付く場面多かったが決定機までには至らず。
 FC東京は押されながらカウンターでチャンスを伺う展開。左サイドの遠藤は4年振りにそのプレーを見て、序盤に左サイドでボールを受けて早いタイミングでクロスを上げた場面などは、この4年でウイングのプレーを身に付けようと色々試行錯誤したんだろうなと思わせたが、あまりインパクトは残せず後半半ばに途中交代。ずっと言ってるけど、この選手はスピードがあるドリブラーというだけでサイドに置かれているだけで、実はウイング適性は無いように思う。このポジションで求められる、例え相手が1人、2人いてもサイドを突破する個の力や、自ら切り込んで直接ゴールを狙う得点力といった部分に欠けるのよね。これも前々から言っているが、この選手のベストポジションはもっと内側に寄った2列目のポジション、それこそミシャサッカーの2シャドーではないかなと。

 後半も同じ展開だったが、半ば頃にVARでエリア内ハンドがPKと判定され、これを大橋が決めて広島が先制。大橋はこれで2戦で3ゴールだが、ゴール以外にも守備やポストプレーでの貢献大きく、やはり湘南で主力張ったという経歴はプロの舞台で戦う保証書みたいなもんだなと。このクラブで試合に出ている選手に外れ無し。
 という感じでこのまま開幕節の様に広島が勝ち切るかと思ったのだが、先制から数分後に右サイド走り込んだ長友のクロスを荒木遼太郎が中央でDFを背にしてボールを受け、足技でシュートコースを作るとそのまま振り向き様に叩き込んで同点。ボールを受けてからシュートまでの技術とアイデアが素晴らしかった。この選手もこれで2戦3ゴールだが、3年前は19歳でJ1二桁ゴールを挙げてこのblogでも年間最優秀若手選手に選んだのに苦笑、その後2年燻ってしまい、心機一転移籍した先で早くも結果を出したと。今日のゴールの様なゴール前での相手DFや観客の予想を越える動きを見せるアタッカーてのは貴重なんで、今季は“失われた2年間”を取り戻す1年になるのではないかと思う。五輪予選での活躍にも期待したい。
 その後は広島が押しつつもカウンターで東京がチャンスを伺う時間が続き、広島に2度目のVARチェックでのPKが与えられるかと思いきや結果ノーファールでPK無し、その後は逆に左サイド切り込んだFC東京の選手が倒されてPK、と思ったらVARの結果エリアのすぐ外という判定に変更されるなどお互いVARも絡んで勝ち越しゴールを奪えない時間が続く。余談だが、上記の東京側にPKが与えられた時は、今日は腕章を巻いていた松木がすぐボールを持って蹴る気満々だった。この選手プロに入ってからクラブやU代表でPK成功率が低い、というか全て外している(はず)のだが、それでもキッカーの責任を恐れないメンタルは同年代の他の選手に無いものだし、評価したい。一方で今後どんなスタイルを目指すのかといった部分についてはちょっと疑問が。荒木の加入+活躍で2列目からゴールを奪うMFはこの選手の役割になりつつあるが、となると松木の役割とは?。今日は主に守備面での献身性は感じられたが、元々高校時代から得点力込みで評価されてきたのにそれが無くなって守備や中盤の構成力、展開力だけでより高いレベルに挑戦出来るのかなと。もっと言うと、守備や献身性で勝負するなら遠藤、守田クラスの対人守備出来ますか、その可能性ありますかと。今は攻守両方司るというよりどっちつかずな選手になりつつあるように思えてならない。

 試合はATに同じくFC東京が右サイドフリーで上げたクロスから2人飛び込んだもののボールに触れずというビッグチャンスもありつつお互い追加点は奪えず1-1で終了。

  • 試合後雑感
アウェイゴール

 広島は安定感あるサッカーでアウェイで勝点1は上出来かもしれないが、かつて優勝した時に佐藤寿人がいたように、リーグタイトルを取るなら年間15点くらい取るアタッカーが必要。その意味で大橋が早々にフィットして結果を出しているのは大きい。
 FC東京は、誰が監督になってどんなサッカーを志向しても、結局はドリブラーがカウンターで前に突き進むプレーで味スタは盛り上がるし、選手もやりやすいのではと思ってしまった。アマラオ、トゥットの時代から細かい部分で変化はあれど、こうした基本部分は同じに思える。今日も途中から入ったジャジャ・シルバのトリッキーかつ推進力のあるドリブルはまさにそういった要素。
 まぁ監督という意味では東京クラモフスキーは第2のポポヴィッチというイメージもあるな。どのチームでもそれなりに組織を構築してそれなりに見栄えのするサッカーも披露して(特に序盤は)それなりな結果も残すものの、タイトル、昇格といった「最終的な結果」とは無縁という意味で。今日の試合でリーグ戦で上位(=ACL圏)に行くイメージは湧かなかった。

  • 帰路

 いつもの様に飛田給を避けて西調布から京王線に乗車。渋谷で途中下車して少し買物してから帰宅。