J1第38節 横浜M×川崎(日産)


 20チーム38節で開催された今年のJ1も今日で最後。この試合は年チケ保有者に割り当てられた招待券(1枚)を利用し、久々に観戦仲間が集まった。大人6人に子供4人。いつの間にか子供が増えていた、大きくなっていたのにも驚いたが、3人以上で観戦するのは実に一昨年の最終節以来2年振りでもあった。あの優勝を決めた19年のFC東京戦。
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 それこそ2年振りに会う人もいたが、この2020~2021年はコロナ禍によって普段以上に時間の経過が早く感じられるものだと改めて。

 最終節とは言え、優勝と2位は確定しているのだが、この両チームの関係性や1位2位対決という状況から単なる消化試合にはならないだろうという予感はあった。実際開始からマリノスフロンターレが互いに攻め合い、ボールを支配する時間も交互に訪れる拮抗した展開で、前半は各々決定機は一度づつありつつも0-0。
 前節の神戸戦でもそうだったが、マリノスにとって相手の個のレベルが上がると普段はボールを回せる場面で相手のプレスにパスが乱れ、相手陣内に攻め込んでもゴールエリアの周辺でボールを「回させられている」感はあった。たまにパスが通ってシュートチャンスを迎えても相手の寄せが早くGKまで飛ばないシーンが多数。以前今季の中盤メンバーのゴールの少なさを指摘したことがあったが、基本的に相手サイド深くエグッてグラウンダーのクロスを中央で合わせるパターンが主流なので、サイド深くまで到達できないと手詰まりとなってしまう。ここでエリアすぐ外から狙えれば良いのだがそんな選手はいない。喜田や渡辺、扇原も得点力という点では物足りないし、マルコスも最近はPK以外でどれだけ点取っているのだろうかと(記録を見たら今季9ゴール中PKが5ゴールで、PK以外で点を取ったのは8/21仙台戦が最後)。
 そんな中で後半半ばに家長のクロスからL・ダミアンが頭で合わせて川崎が先制。GK高丘からしたら手前で強くバウンドしてタイミングが取りづらいシュートではあった。ただ、その後マリノスは選手交代で恐らくレオセアラ、前田の2トップ、仲川、エウベルがサイドハーフの4-4-2に変更したのだが、これで相手との噛み合わせが良くなってボールが繋がるようになった。そして相手ゴール前中央からのセットプレーでサイドに展開し、クロスを前田が合わせて同点。やはりこの選手が輝くのはこの形なんだな。前半はサイドにいたが正直相手の脅威になっていたとは言い難かった。まぁそれは今日に限らずこれまで全ての試合でそうなのだが。スピードはあるが、サイドで相手陣内深く突破したり中に切り込んでシュートするほど器用な選手では無いのよね。海外移籍の噂もあるが、正直懐疑的なのはこの点で、要はマリノスだから点を取れているのであって、違うチーム、違うサッカーでここまで出来るのかと。まぁポステコグルーのセルティックならスムーズに適応出来そうだが、前田が入りたいポジションには既に古橋がいる。

 同点後はマリノスが攻める展開が続いたが川崎の守備に阻まれ、AT4分は逆に川崎にボールを回されてシュートに持ち込まれるシーンが目立った。そのまま1-1で終了。マリノスとしては対川崎戦の連敗を3で止めた形になったが、ここ最近の力関係だと、5試合対戦してマリノスはどうにか1勝1分(3敗)という分の悪さは感じる。ただ今日の試合はハイレベルで、時間帯によって主導権が変わり、それに対応して再び流れが変わり、とさすがトップ2同士というクオリティだった。来年は両チームともまた違うメンバー、違うサッカーになりそうではあるが。
 
 試合終了後、両チームの選手がハーフラインを挟んで列を作ってるので何かと思ったら、この試合でJの主審を引退する家本さんに向けての花道だった。

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家本主審への花道

 花道を通った後は両チーム主将からユニフォーム(どちらも背番号が516=担当試合数だったのはさすがだなと思ったがw)、ご家族からの花束贈呈があり、最後は両チーム合わせて記念撮影

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家本主審を囲んで記念撮影

その後家本さんは両ゴール裏まで近寄って挨拶して締めとなったが、近年つとにライバル心を高める両チームが主審を介して仲良く記念撮影と言うシーンは胸を打つものがあった。豊スタでの名古屋vs浦和戦では同じように引退する村上主審への花道や胴上げもあったようだし、これからもこんな雰囲気が続くことを願う。まぁ日産、豊スタどちらもタイトルは掛かっておらず、結果も引分けだったのが大きかったかもしれないが。
 いつもこの時期の試合は空気が澄んで特に夕景は美しい。今日もそうだった。こういった風景と試合、そして試合後の様々な出来事が相まって1年の終わりを実感する日。

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日産スタジアムから望む夕景