天皇杯準決勝 川崎×大分(等々力)


 リーグ戦が終わったが、週末にサッカーやってれば観に行きたくなるというもの。この準決勝は等々力と埼スタどちらにしようか迷ったが、日曜ということもあって近場で14時から始まる等々力にした。
 この試合はこれまでの上限5千人やスタジアム収容数の50%という縛りが無くなって収容100%でチケットが販売されたのだが、試合開始直前に着くとゲートには長蛇の列。直前でこれほど並んだのは記憶に無いが、今は自由席が無くなって指定席が基本となり、それ故に現地に早く行って良い席を確保する習慣が失われ、観客の到着時刻が試合開始直前に偏るようになった、という側面はあるかもしれない。まさに自分がそうなのだが。

 そんなこともあって開始5分頃に着席。前半、というか試合を通して川崎が優勢だったが、前半は完璧に崩してというより、押し込んで最後はミドルというパターンが多かったな。シュートはどれも枠内だったが、大分GK高木が全てセーブ。以降も川崎のミドルが何度かあったが高木は全て防いでいた。反面、高めのクロスは苦手なのかキャッチし切れず後ろにこぼし、それを詰めたL・ダミアンに狙われるシーンも二度ほどあった。後半も同じ展開だったが高木の好セーブや、CBペレイラを中心にクロスを跳ね返してゴールを割らせず、延長戦へ。
 延長も展開は変わらなかったが、後半半ばに右サイドからのクロスを小林悠が押し込んで川崎がついに先制。高めのクロスは大分守備陣が上手く対応していた中でサイド深くまで侵入してからの低めのクロスという点で勝負あった。これでこのまま川崎が逃げ切るかなと思っていたのだが、ATに大分が同点。右サイド浅い位置から左足のクロスは鋭く、いいボールだなと思った次の瞬間にトレヴィザンのヘッドが決まっていた。後で見返すとクロスを上げたのは下田だったが、去年まで川崎にいた選手。ついでに言えば高木も元川崎だし、そういった因縁というか関係性は試合で出るものだなと。

 試合前は予想してなかったPK戦だったが、これは大分の勝ち抜けあるんじゃないかと思った。追い付いた方(しかも終了間際)が精神的に優位というのもあるし、PK戦前に片野坂さんが笑顔で話すシーンが映像装置に映し出され、その落ち着いた笑みに気持ちの余裕すら感じられたので。
で、結果は↓の通りなのだが、

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PK戦結果

川崎も鄭成龍が、決められたら終わりという大分5人目をセーブするなど活躍し、そう言えばこの天皇杯も長野、千葉とPK戦を勝ち抜いてきたのを思い出した。ただ今日は家長、ダミアンといった普段のPKキッカーが交代でベンチに下がっていたのは影響したかな。最後は7人目山根のキックを高木がセーブして試合終了。
 
 大分は初の決勝進出ということだが、勝てば08年に獲ったナビスコ杯(現ルヴァン杯)と合わせて国内カップ戦制覇になるし、地方クラブとして決勝進出時点で既に偉業。今日はメインスタンドアウェイ寄りの席だったのもあって右隣と後ろが大分サポだったが、同点シーンやPK戦勝利時は心の底から喜びを爆発させてるのが伝わってきて、何だかこちらまで嬉しくなった。特に後ろの2人組は大分から来たようで、遠征先での勝利はまた格別だよなぁと。調べたら羽田-大分便の最終は20時発なので、その便は等々力帰りの人が多かったのかな笑。振り返ると今年等々力には2回行ったが、9月のルヴァン杯準々決勝第2戦は終了間際の槙野のゴールで浦和が勝ち抜け、そして今日の大分と、いずれも川崎がカップ戦で敗退している。厳密にはどちらも記録上は引分けなので負けてはいないのだが、これも何かの巡り合わせか。