天皇杯 決勝 甲府×広島(日産)

 昨日に続いての観戦で、開始も同じ14時から。昼過ぎに新横浜に着いて昼飯を食べた後、駅前を歩いているとこんなものが。

相鉄東急直通線出入口(建設中)

 開業まであと半年か。これが出来たら新横浜へのアクセスは大きく変わるが、気になるのが駅からスタジアムまでの導線。今はJR駅ビルを出た後すぐ左に進み、環状2号線道路の高架を潜った後はそのまま直進すればスタジアム入口のスロープに辿り着くのだが(途中コンビニも数軒あって買物にも困らない)、直通線の出入り口は駅ビルから見て主に右手に出来るようだし、ルートは変わってくるかもしれない。

 てなことを考えつつ開始ギリギリに席に座れた。日産でマリノスが絡まない試合を観に行く時は出来るだけ普段行かない席を取るのだが、今日はメインスタンドのホーム(甲府)寄り。

甲府コレオ
広島ゴール裏&天皇杯決勝恒例?の巨大シート

 中に入って驚いたのは↑写真を見ても分かるように甲府サポの多さ。バス20台以上をチャーターというニュースも目にしたが、距離もそう遠くないので14時開始なら行き帰りが早朝深夜にならず日帰り出来るか。自分の席周辺は(自分と同じく)まったり観たい人多いのかなと思いきや甲府ユニ率高く、何より試合展開へのリアクションの早さや大きさ、ゴール裏のチャントに合わせた手拍子する人の多さで、普段から観に行ってる人達なんだなと覗えた。世代も多様で、若者2~3人組もいれば小さい子供連れの家族数組のグループ、あるいは中高年の夫婦だったり色々。甲府のチャンスになりそうな場面で一斉に周りの腰が浮いてその場が何とも言えぬ期待感で充満し、ゴールや(後述する)PKセーブの時の歓喜の爆発と、自分の様な観戦者にもその熱が伝わってきて何だかこちらまで楽しくなってくるほどだった。

 という中で試合だが、序盤から甲府が広島を抑えて隙あらばカウンターで相手陣内に侵入と互角以上に渡り合っていた。そんな中で前半半ば頃にCKから三平が決めて先制。広島は甲府ゴール近くまではボールを運ぶが決定機と呼べるものは無くそのまま前半終了。
 後半もその流れは続き、広島が追い付くよりも甲府の追加点の方が可能性は高いのではとすら思った。実際、後半半ばにウィリアン・リラがカウンターからそのまま打ったミドルがバー直撃というシーンも。時間は進んで後半も終盤になり、さすがに甲府の運動量も落ちてきて広島が押し込む展開が続いたのだが、決定機自体は作らせず、このまま甲府が逃げ切るかなと思い始めた頃に川村がエリア内斜め45度辺りからGKの頭上を抜くシュートを決めて追い付いた。既に時間は後半40分、そして試合展開からして逆にこれは広島の追加点の可能性高まったかなと。90分では決着着かず1-1で延長戦へ。

 延長では広島満田のFKがバー直撃、後はエリア外からのミドルをGK河田が左に飛んでセーブと広島の攻勢が続いた。そして延長後半も終わりが見えてきた時にエリア内ハンドの判定で広島にPK。ハンドしたのは途中投入されたレジェンド山本英臣という辺り運命は残酷であると同時にこれもサッカーだななどと勝手に感慨に耽っていたのだが、満田のPKを河田がセーブ。延長も1-1のまま終わりPK戦となったが、この時点ではまだ勝敗は読めなかった。極限のプレッシャーで片方もしくは双方が連続して外すというのは何度も観てきたし、今回も十分起こり得るなと。
 ただPK戦が始まると両チーム共1人目から確実に決めていったのはさすがだった。上隅とか結構リスキーなコースも多かったし。そんな中で広島4人目の川村のキックを河田が止め、最後甲府5人目のキッカーはハンドでPKを与えた山本というのはあまりに出来すぎていたが、冷静に左上隅に決めて甲府が優勝。

 過去J2所属で天皇杯優勝したのはFC東京の例があるが、J2優勝とWタイトルだったしそもそもJ2にいるチームでは無かった。それだけに甲府はJ2で18位(今週末の試合終了時点)で天皇杯獲得というのは前代未聞だよなぁ。Twitter甲府はボール支配率高いほど勝率低く、支配率が低い(つまり押される)試合で勝率高いというデータを見たが、それがJ1相手にドハマりしたということだろうか。それにしたってJ1勢を5チーム破っての優勝は大偉業に変わりないが。

 広島は同点ゴールまで殆ど決定機作れなかったのが気になった。このチームはJ以降天皇杯、ルヴァン(ナビスコ)杯で今回を入れて8度決勝に進出しながら優勝回数ゼロというシルバーコレクター。来週にはすぐまたルヴァンの決勝が控えているが、何となくこのジンクスは続くようにも・・・。これまたTwitterで知った情報だが、GK大迫は過去PKストップが一度も無いというのも驚いた。今日も5人全員に決められたし。PK以外でも、この選手は止めるべきシュートは確実に止めるが、入ったと誰もが思うシュートに手が伸びて止めるという印象は無い。若いGKがJ1で試合経験積むのは喜ばしいが、林卓人の方がそうした「止める」GKであり、チームを勝たせるGKという印象。

 表彰式を見た後、

表彰式

試合の余韻に浸りたかったのと昼に食べた蕎麦がまだ腹にもたれてたのでその腹ごなしに大倉山まで歩いた。良い試合だった。今年の観戦ベストマッチ候補に確実に入る試合。