親善試合 日本×ブラジル(国立)


 6月の代表シリーズ唯一の首都圏開催ブラジル戦だが、縁あって行くことが出来た。今日の様なクラスとの試合を観るのはそれこそこのblogを始める以前になってしまう。ざっと挙げると下記の通り



2001年vsイタリア@埼スタ
2002年vsアルゼンチン@埼スタ
2004年vsアルゼンチン@エコパ
    vsドイツ@横浜国際。

その他2009年には旧国立でのベルギー戦も観に行ってるが、当時の同国は今のクラスになる前夜といった感じで、後の主力は当時まだ若かったアルデルヴァイレルトヴェルマーレンがいた程度。ブラジルをこの眼で観るのは始めてだった。

 今日は朝から梅雨入りの雨だったが、18時過ぎに現地到着。ここは何度か来ているが座席の前後間隔が狭く、座った後簡単に移動できないので荷物だけ置いた後トイレを済ませつつコンコースを回って時間を潰す。

雨の新宿ビル群

やっぱここに来るとこの風景は撮らなければ笑
そんなこんなで選手紹介が始まるであろう19時過ぎに着席。
試合前はオシム氏への感謝の拍手やスマホライトを使った演出など。これは普段のJでもあるが満員のスタジアムでは壮観だった。

試合前演出

そして選手入場

試合直前

ホームゴール裏では日の丸のコレオがあったようだが席はホームゴール裏3階だったので見えず。映像装置で引きの画が見てみたかった。

 今日の日本は予選突破を決めた豪州戦から山根、守田、浅野が外れて中山、原口、古橋が入り、長友が右にスライドした布陣。このように数名変えるのはいかにも親善試合のテストという感じがして個人的に結構好きだったりする。長友が右だったのは、酒井が負傷、冨安もコンディション調整中?という中で相手左サイドを封じる右SB候補のテストだったかな。山根はそういったタイプでは無く、負傷離脱した菅原もどちらというと複数ポジションこなせる器用さが売りで守備職人というタイプではない。
 開始早々にいきなりポスト直撃のシュートがあったが、あのお陰で今日のスコアになったと言えるし、入っていたらここ最近のブラジル戦みたく前半で試合を決められ、結果3点くらい取られてもおかしくなかった。その後は少し持ち直したけど、攻撃は単騎突破がメインで、強いて言えば伊東、長友の右サイドから何度か突破、クロスがあった程度。この合宿で取り組んできたのかGKからビルドアップしていたけど中盤から前になかなかボールを運べず。そうしている内にまたブラジルが圧を強め、特に前半最後の10分はこれ1点取りに来たなと思わせる攻勢だったが何とか0-0でハーフタイムを迎える事が出来た。

 後半は前半同様、主に伊東起点に攻めていたが、ブラジルはしっかり2人付いてケアしていた。昨日(コーチの)サンパイオが伊東を警戒という記事を読んだが、まさにその通りの対策。ただ一度伊東が突破と見せかけて前にフリーで走り込んだ長友にパス、これが通って惜しい場面が作れた。やっぱ伊東が欧州で変わったのはこの判断力だな。単に前のスペース目がけてドルブルするだけでなく、緩急を付けたり周りにパスする場面も出てくるようになって、そのタイミングが適切。ベルギーリーグアシスト王は伊達じゃ無いな。
 全体的には前半と変わらず、むしろブラジルの攻勢が強くなって守るシーンが増えてくるようになった。てっきりネイマールは前半で交代するのかと思っていたらフル出場。中盤の底までかなり広範囲に動き、点取り屋というより一歩引いたアシスト役という感じだった。上手いのは相変わらずだが、かつてほどゴール、アシストにフル稼働出来なくなってるという事情もあるんだろうな。今日も終盤に得たPKを決めて代表74ゴールとペレの代表記録(77)まで後3点と迫ったが、先日の韓国戦の2ゴールもPKだったし、流れの中で決めきるのは少し難しくなっているのかなと。メッシ、ロナウドが同年齢の頃は相変わらずのゴールマシンだったけど。ただ権田も無闇に動かずよく我慢していた中で、動きをよく見て冷静に逆を突いたあのPKはさすがだった。

 失点の数分前に三笘、堂安が入ったが、入って早々三笘が何度か左サイドを突破したのは単発だった攻撃の中で目を引いたな。何故か周りの選手もこの選手の活かし方を既に把握してるかのようにボールがよく回るようになって、一度相手ゴール前中央から左サイドへのパスを2人スルーしてフリーの三笘に通るシーンもあった。ただブラジルの右SBミリトンはさすがというか1対1でも簡単に突破を許さず。
 失点後は山根、柴崎を入れて1点を取りに行ったのだと思うが、ATもなかなかボールを前に出せずそのまま試合終了。日本としてはこのレベルの相手と試合するのは久々、それこそ18年W杯ベルギー戦、強いて言えば同年秋の親善試合ウルグアイ戦(埼スタ)以来4年ぶりという中で、その感覚を思い出す90分だったかな。強豪の中でも特にブラジルには分が悪いが、日本がやりたいことをやられて、守備に追われる慣れない展開が続いて失点という展開故だと思う。今日も守備はかなり奮闘したと思うが、ボールを獲り切れなかったり、奪っても繋げられない場面が続いた。1人入って変わったとは思わないが、「潰せて繋げる」守田がいればどうだったかなとは思った。
 今日も中盤に途中から鎌田を入れたり、予選後半のサッカーから本大会はまた変わってくるであろう中で最後までその最適解探しが続くのだろう。基本的には今日の試合に出たのは森保さんがこのレベルの相手に戦える、リードされた時など試合展開によっては途中で出すと判断した選手達で、実際皆一定の働きはしたので、本大会の有力候補だろうと思う。これにコンディション調整中の冨安、守田、負傷中の酒井を加えた20名は確実。今回の登録数は26名なので、FPは控えGK2名を除いた4枠を伊藤洋輝、谷口、植田、久保、上田、浅野、大迫らで争う形か。久保はこの後のキリンカップで結果を出す、新シーズン大活躍するとかで無い限り、今の状態だと26枠に増えてもメンバー入りは厳しいかもしれない。

 得てしてこうした相手との試合は相手への声援が大きいとか言われがちだが、3階とは言えホームゴール裏だったのもあったかと思うが、少なくとも自分の周囲ではブラジルのプレーに感嘆しつつ日本の良いプレーにそれ以上の拍手とハリセン(来場者に配られた)の音が響いていた。こういう親善試合は久々だったのもあるが、冒頭で述べた昔行った強豪相手の親善試合の空気感に似ていたかな。試合後は雨も止んでいたので友人と北参道まで歩き、副都心線で帰宅。