J1第9節 川崎×東京V(等々力)

  • このカードの観戦は19年振り

 ヴェルディの昇格により、このカードを観るのも久々だなと思っていたが、過去一度だけ観たその試合は丁度19年前、2005年の4月だった。
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 歳がバレるが社会人になって最初の観戦でもあった。↑の記事を読み返すと、我那覇ジュニーニョなど懐かしい名前が出てくるが、この年は川崎がJ2から昇格してきたシーズンなのを思い出した。それから19年経って両クラブの立ち位置は大きく変化したが、今度はヴェルディが昇格チームなのも何かの巡り合わせだろうか。

 今日は武蔵小杉から路線バスを使って行ったのだが、バスに乗る時に運転手のカバンが目に入り、そこに浦和のリストバンドが付いていた。カバンは料金箱脇の目に入りやすい場所だったんで、等々力近くを通る路線で両チームサポが多数乗車するのを見越して敢えてそこに置いたのだろうか笑。自分もJサポの1人だよと。あるいは同時刻に埼スタで行われるレッズ戦は仕事で行けない代わりにリストバンドだけ持参したのかもしれない。
 そんな体験もありつつ現地へ。

等々力緑地の新緑

 桜の時期が終わった今頃から今度は新緑の季節。緑が映えていた。毎年この緑を見るとGWも近いのを感じる。

  • 試合
選手入場時

 両チーム共に勝ち切れない、勝てない試合が続く中での対戦だったが、序盤は一進一退、特にヴェルディは球際激しくボールを奪ってショートカウンターという場面が目に付いた。川崎ゴールに近付くシーンは何度かあったが決定機と呼べるものはあまりなし。川崎はマルシーニョや脇坂が相手ゴール近くで前を向いてボールを持てば何か起こりそうな雰囲気はあったが、その場面を作る為にボールを運ぶのに難儀していた印象もあった。前半半ばだったか、左サイドからの連係でエリア内で脇坂が放ったシュートは右ポスト直撃。振り返るとこれが最大の決定機だった。
 試合が進む内に両チームの主将にして中盤のプレーメーカーである脇坂と森田のプレーに注目して観るようになった。脇坂は安定したボールタッチから中盤の潤滑油的なパスワークだったが、この選手は背格好や佇まい、プレーリズムから遠藤保仁に似たものを感じている。今はトップ下、2列目がポジションだが、もう少し年を重ねたら遠藤の様にもう少し下がり目の位置からゲームメイクする役割になるのではと思う。一方で森田はより活動的なプレーメーカーという印象。ピッチ幅広く顔を出して守備面でも貢献しながら展開するパスを出すスタイルで、去年昇格POで観た時よりも上手くなっているというか、J1のレベルに適応してスケールアップしているようにも見えた。前半は0-0。

 後半は川崎が攻める時間が長かったかなと思うが、決定機はマルシーニョが抜け出してドリブル独走→シュートは枠を外れた場面くらいで、攻め込みつつGKマテウスを脅かすシーンはそれほど無かった。これは今季だけに限らないが、2020~21年で連覇した時のサイドアタッカーとCFの能力をフル活用した433が今のメンバーにはハマってないんじゃないかと。適性あるのはマルシーニョくらいで他は無理矢理3トップのウイングやCFに当てはめている印象を受ける。FW山田は右サイドでよく体を張ってたとは思うが、ウイング、サイドアタッカータイプには見えず、能力をフルに出し切れていない印象を受けた。昨年3トップの中央に置かれて苦戦していた宮代が、今季神戸で2トップの片方、セカンドトップの役割で既にここまで4点取ってるのを見て尚更そう思う。
 その意味でヴェルディは染野、木村の2トップという構成がハマってたかなと。実際に観ると2人共体が大きく、中央、サイドと幅広く動いて相手守備に圧力を加えていた。

ヴェルディの2トップ

染野は前節のFC東京戦でのゴラッソなど、ワンランク高みに達しつつあるように思うのだが、今五輪予選戦っているU23に選ばれなかったのは、山田に加えて更に染野まで抜かれると死活問題だけに、クラブからの要望だったのかなと。

 0-0のまま試合は進んで、ATは3分。ここ最近の観戦はAT9分、8分という試合ばかりだったんで正直短く感じられて実際そうだった。この間ヴェルディが攻め込む時間が増えて、今季のこのチームの試合展開からしても何か起こりそうだと思っていたのだが、このまま0-0で試合終了。

  • 試合後
選手入場時のアウェイ側

この引分けで両チームは15、16位変わらず。9試合消化し、そろそろシーズン序盤とも言えなくなってくる時期だが、今のうちに次の1勝を挙げておかないとズルズルと下位に滞留して残留争いに巻き込まれかねない。個人的な印象として、序盤は好内容ながら終了間際の失点などで惜しくも勝点3または1を逃し続けるチームは夏場以降はそうした内容や粘りも薄まって徐々に負けが込み始める事が多いように思う。いわばチームとしての集中の糸が切れてしまうというか。その意味で7~8月の夏場までの過ごし方がシーズンを左右するようにも。