J1第20節 川崎×鳥栖(等々力)

 この試合は元々7/6(水)に予定されていたものの、新型コロナの影響でこの8月最終日に延期されたもの。元々予定には無かったが、今日は早く上がれそうだったのと、鳥栖見たさに等々力に向かった。このチームはたまにDAZNで視ても縦にテンポ良く繋いでゴールに迫るサッカーが面白いなと。実は既に3月に三ツ沢で観ているが、この試合はサッカーどころではない天候だったし、シーズン序盤でもあったので改めてということで。
barcaw.hatenablog.com
 開始10分程前に到着。

 そして試合が始まったが、鳥栖の意図することは感じられたものの、今日の川崎に対してはかなり厳しいものがあった。左岩崎、右長沼の両サイドがワイドに展開し、左右の揺さぶりと縦突破を上手く組み合わせて素早く攻めるサッカーという印象だが、川崎に展開を読まれ、中盤でボールを奪われ逆襲されるシーンが多かった。また守備時においても、鳥栖が相手のパスの受け所を狙って複数人で奪いに行っても、トラップで上手く向きを変えられてプレスを外されたりと。序盤から相手の技術の高さに防戦一方という展開だったが、飲水タイム直後、鳥栖が最終ラインから左サイドに展開しようしたパスをカットされ、そのまま(鳥栖から見て)左サイドを攻め込まれてクロス→ニアで知念が合わせて川崎先制。このゴールは特に今日を象徴していた様に思う。あの左サイドへのパスが通れば面白かったが、それが通らないのが今日の試合だった。前半終了間際も自陣中央でフリーでボールを持たれて最後は左から中に走り込んだマルシーニョが決めたがこれはVARの結果オフサイド判定。

 内容的には押されてもまだ1点差なのでワンチャンで追い付けば、と思っていたが後半開始早々にCKからJ・シミッチが合わせて川崎が追加点。その10分ほど後には鳥栖のCKから川崎がカウンターで縦パス一本、鳥栖DFは2人が最終ラインに残っていたが、ポジショニングが中途半端でマルシーニョに抜け出され、GK頭越しのロングシュート。DF陣のポジショニングミスだったと思うが、思うようにボールが回らない中で徐々に位置取りも乱れていたのかな。
 その後は試合が落ち着いて鳥栖が攻めるようになり、何度かサイドを深くエグるシーンもあったがシュートは枠外で決定機までには至らず。攻め込んだリスクとしてカウンターを浴びる場面も多く、広大なスペースを上手く突かれ、後半40分過ぎには(鳥栖から見て)右サイドからクロス→ゴール前でこぼれたところに走り込んだ大島に決められ0-4。

 0-3の後はテンポ良くボールが回る片鱗が見えたが、今日は相手の技術に圧倒された試合だった。まぁでも個々の選手を見ていると、ちゃんと自分の得意なプレーを出そうとしているし、それを引き出すサッカーだなとは思った。サイドを突破する岩崎、長沼などはまさにそうだったが、特に左SB中野は(特に前半は手前サイドだったので)途中から気になってずっと見ていた。所謂上下動が持ち味のSBが中に絞る時や、中盤の選手がSBやる時のぎこちなさが全く無く、どの位置でも普通にプレーしてるのが新時代のSBだなと。技術だけでなく360度周りが見えてる視野の広さもあればこそだと思う。まだ高卒1年目だが既にJ1で60試合以上出ているだけに、パリ五輪だけでなくカタールの後は早々にA代表にも絡んできそう。
 大敗はしたが、これだけのサッカーをJ1監督初挑戦で披露している訳で、川井監督は今迄の日本(J1)の監督にはあまりいない年齢やキャリアの人だけに、是非タイトルだったり、より大きな舞台に関わる存在になって欲しいと思う。何より同世代なので応援したい。先日就任した鹿島岩政監督もそうだが、アテネ世代が少しずつJ1監督になり始めている。

コーチングエリアで戦況を見つめる川井監督
  • 川崎について

 スコア、内容共に完勝ということで何か吹っ切れた感じだった。今季はここまで負傷者も多かったり、新戦力がなかなかフィットせず苦しんでいた印象なのだが、フィットしない戦力を無理に出し続けるのを止めて、やることを整理し、それに合った選手を配置した結果、上手く歯車が噛み合うようになったというか。まぁリーグ以外全ての大会で敗退したので後が無くなったというのも大きいと思うけど、8/7マリノス戦の結果が火を点けてしまった感もある苦笑。特にマルシーニョはこれでリーグ9ゴールだが、去年来た時はひたすらドリブルで前に仕掛けるだけでとても三笘の穴が埋まるようには見えなかったのだが、いつの間にか「アシストだけでなく点も取れるサイドアタッカー」というまさに三笘がやっていた仕事をこなすようになっていた。このマルシーニョ、中盤のシミッチ、最終ラインのジェジエウが万全な限り大崩れはしなさそう。ジェジエウは特に負傷という訳でも無さそうだったが後半30分頃に途中交代したが、今後を見据えての対応なのだろう。7月までは意外にマリノスが抜け出して最終節前に優勝決まったり?なんて思ったこともあったが、ここからは逆にマリノスが再点火しないといけなくなった。