ここ数年ずっと構想段階に止まっていたと思ったら何時の間にか計画が具体化していた新しい国立競技場の件だが、昨日設計コンペの最終候補作(11点)が発表されていた。→コレ
招致活動中の2020年五輪だけでなく、19年のラグビーワールドカップという既に予定されている大会がある為、一気に具体化したと思われるが、デザインのイメージ図を見るだけでも面白い。こういうスタジアムの計画図は今まで海外のばかり見て来たんで日本のも見れて嬉しい限り。
このスタジアムの条件の1つとして、陸上だけでなく座席の移動で球技開催へも対応可能とする点があるのだが、候補作をみるとやはり欧州の建築家の方が、球技開催時にゴール裏もせり出してピッチを四角形に近付けようとする傾向がある。作品番号12のオランダの案はフランスのサン・ドニみたいでいいな。日本の建築家の場合、メイン、バックの座席を前に出す事はあっても両ゴール裏はあまり変化が無く、その辺りは建築家自身の観戦文化の理解度の違い、と言えるだろうか。要は“サッカー、ラグビー等球技は専用スタジアムで観るもの”という概念が薄いんだな。この概念があるからこそサン・ドニは球技開催時に出来る限りピッチに座席を近付ける設計にしたのだろうし。決定は来月7日と近いんで、是非球技に対応したプランが採用される事を。日本のメインスタジアムだから日本の建築家が採用されるような出来レースで無い事を願うばかり。
今週末はその国立でナビスコの決勝だが、天皇杯決勝も含め、もし建設計画が実行された場合、19年に間に合わせるとして14〜18年辺りは国立が使えないから、何処か別のスタジアムで開催という事になる。日産、埼スタ、あるいは首都圏に拘らず長居とか?そう考えると国立は施設こそ古いが、アクセスや中立地という場所柄ナショナルスタジアムに相応しいんだよな。最近ではA代表戦は久しく開催されてないから建て替え前に一度開催して欲しい。満員の国立での代表戦というのはなかなか良い雰囲気なので。