JFL第12節 FC大阪×鈴鹿(花園)

 この日はそもそも今回の旅を決めた理由の1つである花園へ。これまでアウェイのガンバ戦、セレッソ戦は基本日帰りで、今年は19時開始で泊まり必須だしどうしたものかと考えていると、ガンバ戦の翌日にこの試合が組まれるのを知り、この機会を逃す手は無いと。思えば唯一の秩父宮観戦はサッカーで
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今回もまたサッカーで花園に行くという。花園でのサッカーは以前も行われていたようだが、この両スタジアムにサッカーでしか行ったことが無い人間は他にいるのだろうか笑
 午前中神戸方面に寄った後で現地に向かうつもりで、ルートを検索したら阪神近鉄が直通運転するまさにこの日の為にあるような路線が有り、三宮から乗ったのだが、実は快速急行という鶴橋から生駒までノンストップ、つまりスタジアム最寄の東花園駅を通過するのに気付いたのは鶴橋を出た後だった。少し時間をロスしてしまったが、折角なので生駒で降りて駅前を少し眺めつつ各停で花園まで戻った。途中生駒山地の中腹を走るのでこのような見事な眺望も楽しめる。

近鉄車内から望む大阪の街並み

 現地でどれだけフード店舗があるか分からなかったので駅前のコンビニとたこ焼き屋で飲食物を調達し、スタジアムへ。歩いて10分も掛からず到着した。

スタジアム外広場①
スタジアム外広場②

 スタジアム外の広場ではキッチンカーやトークショー東大阪を拠点とする他のスポーツチームのブース、ダンスイベントなどで多くの人で賑わっていた。駅前やスタジアム迄の道でも観戦客と思しき人が多くて、もしかして結構人が来るのかと思っていたが、これほどとは思わなかった。こういった大箱で開催する以上、主催者も普通に開催するだけでは無く色々考えたんだろうな。ゲストも多く、サッカー北澤氏、ラグビー大畑氏といった元アスリートから東大阪市長、大阪府知事吉本新喜劇女優の未知やすえ(東大阪出身らしい)まで来ていた。

 入場後、メインスタンドアウェイ寄りに席を取り、場内を見渡してみる。メインからだとバクスタ越しに生駒山地がそびえ立つのが印象的。

バックスタンドと生駒山地

サッカー観点だと↑画像にもあるようなホームゴール裏の一層スタンドが目を引く。日本でこれだけの規模の一層ゴール裏スタンドはあまりない。強いて言えば埼スタぐらいか。NACK5日立台も遠目には一層に見えるが途中階段などで上層と下層が仕切られているし。この花園のスタンドが埋まって声出しも出来ればかなりの迫力だろうなと。
 一方で以前からスタジアム写真を見て気になっていたメインスタンドの柱は思ったより太かった。

メインスタンドの柱

 調べたら19年W杯での改修前からこの位置に柱があったようだが、改修時に何で外せなかったのかと思ってしまう。昔はスタンドに柱を建てないと屋根を支えられなかったと思うが、今は国内外の新スタジアム然り、屋根を後ろから支え、かつ出来るだけ前方の観客席までカバーする技術はある。推測だが改修にあたってW杯仕様(恐らくはカップホルダー付座席、放送・通信設備、VIPルームなど)を満たすことに囚われ過ぎて、観戦するに何がベストかという観点が抜け落ちた為ではないかと。また国内外の球技場を参考にすればデザイン面でのイメージも湧くと思うが、それもあまり無かったんだろうな。パナスタやサンガスタジアムの様に、こういう時にここを本拠とするチームがあればデザインや座席の色など影響を与えられると思うが、ラグビー近鉄(元の所有者でもある)にそれを求めるのは厳しかったか。

  • 試合

 荷物を置いた後は再びスタジアム外広場を回って再入場し、13時から試合開始。試合前は今日はベンチ外のカズが関係者席から顔を出してメインスタンドからの声援に応えていた。こういう所はさすがだよなぁ。自分に何が求められているか分かっているし、出場しないならしないで出来ることをする姿勢は素晴らしいと思う。実際、自分の周りにいた観客も老若男女どよめいていたし。
 試合について。実はJFL自体見るのは初めてだった。両チーム共に名前を聞いたことある選手が何人かという程度だったが、大阪は右サイドの久保は昨日の試合でのガンバの山見の様にドリブルでチャンスメイクする役割で面白い選手だなと。ただ全体的には暑さもあったと思うが、膠着した展開だった。お互い相手の攻撃に対してしっかり体を入れたり守備はそれなりに出来る一方で攻撃にはあまり連携は無く違いを作れる選手もあまりいないので、ただ相手の攻撃を潰し合うだけになってしまっていた。たまに高い位置でボールを奪って3対3、あるいは3対2みたいな状況もあったが判断が遅れてパスの呼吸が合わなかったり、相手に寄せられたりで勿体無かった。
 そんな展開が後半半ば過ぎまで続いて正直、この日の天候(日射しも強く暑かった)や昨日歩き倒した疲れもあり、後半30分過ぎは意識が飛んでいた。終盤になってようやく動きが見られるようになったもののこのままスコアレスかと思った後半44分に大阪の坂本がエリア外左45度からミドルを決めて先制した。これは見事なゴラッソだった。経歴を見るとJ3沼津所属歴があり、奈良クラブ時代にはFWにコンバートしてJFL得点王まで獲ったとのことだが、今は再びCBでプレーしている。このままAT5分が過ぎてFC大阪の勝利。

 この試合の観衆は12152人もいたらしい。招待客やカズがいるチームというのも大きかったと思うし、また自分のTL上でもこの試合に行った人が何人かいて、花園でサッカーという要素に食い付いたサッカーファンも自分を含め少なからずいたはず。それでも1万人もの人を集めるのは大変なことだし、実現したのはJクラブでは無い4部(厳密には違うが便宜上そう定義する)のチーム。上で述べたようにこの試合の為に様々なイベントを企画し、ゲストを呼んだ経験はJリーグ入りに向けて大きな財産になったのではと思う。

 試合が終わってもまだ15時で大阪市内を観光する時間はあったが、この日も結構歩いて疲れてたのもあり帰る事にした。東花園駅ではなく、反対方向にある同じ近鉄の吉田駅まで歩き、途中JRに乗り換えて新大阪へ。予約した新幹線は新大阪始発だったので5分ほど前にホームに上ると既に停車しており、すぐに乗ることが出来た。とにかく今回は1週間前の予報では傘マークが付いていて梅雨時だし雨を覚悟していたが、幸い全く降られずに済んだ。次の大阪はセレッソ戦、と言いたいところだが7/10日の19時なんでまた来年か。