J1後期第15節 川崎×横浜M(等々力)


■試合前
 ランから帰宅後、等々力へ。今回はメインスタンドアウェイ側2階席にしたのだが、このエリアもカップホルダー付き折り畳み椅子。バクスタ2階よりも高くピッチを見下ろせるし、今後もマリノス戦はここだな。
 開門に並んで試合にはまだ時間があったのでメインスタンドコンコースや外のイベントブースを色々見て回ったのだが、この新スタンドを運用するにあたって、フロンターレがこの10年培ってきたアイデアやノウハウを注ぎ込んだのが伝わってきた。単なるコンコースやグッズショップ、食べ物屋ではなく見せ方、売り方に何か一工夫あるんだな。等々力は市営競技場ながら新スタンドにはペアシートなど席種が色々あるが、おそらくこれもフロンタ側が計画から参画した結果と思われる。残りのスタンド改築は当分先だが、それが完成した時、このチームも1つの到達点に至る気がする。

■試合
 開始直前にふと思ったのだが、このカードは常に勝敗が付いて引き分けはあまり記憶に無い。今調べたら最後に引き分けたのは3年前のリーグ戦で、カップ戦と合わせて通算30試合以上対戦して引き分けは僅か5試合のみ。試合内容も大体似通っていて、先制した方が途中追い付かれる事はあっても最終的に勝つ場合が多い。特に相馬、風間体制ではフロンターレがボールを支配しつつマリノスが守備→カウンターという展開で、フロンタ守備陣のやらかしやセットプレーでマリノスが先制すればそのままマリノスの勝ち、その前にフロンタの攻撃にマリノス守備が崩されたら川崎が勝つ。

 今日もそんな試合だった。川崎の3バックは右から武岡、谷口、小宮山で両サイドがガンガン上がって攻撃に厚みを加える一方で守備はたまにロングボールの処理をミスったりパス出しが遅れてピンチを招くシーンもあり、この辺は人が代わっても変わらないものだなと。そして今日の決勝点はセットプレーからファビオが川崎の選手の上から覆いかぶさるように頭でねじ込んだゴールだった。フロンターレも後半は押し込み、マリノスは走らされて疲弊したのかカウンター時も人数が足りず川崎ゴール前まで到達する前にボールを奪われていたのだが、守備は最後までよく守っていた。
 決勝点を観て思うのは、監督の志向に沿うタイプを11人揃えるよりもその中に数人「異分子」を取り込んだ方が結果が出るのではないかと。今の川崎みたいに繋ぐチームなら上手くはないが泥臭く走り回ったりボールを撥ね返すタイプ、逆にフィジカル、走力重視のチームなら技術や創造性のあるタイプを置くなどすればチームは一段階進化するように思う。寺田、伊藤、箕輪ら川崎山脈時代なら今よりDFの攻撃参加、フィードには期待出来なかったろうが、今日の決勝点の様な形は無かっただろう。今季で言うなら角田を清水に出したのは勿体無かった。

 個人で言うと今日は五輪代表世代の喜田や大島を中心に観ていたのだが、大島は上手いんだがゴールに繋がる縦パスやシュート意識、精度が低いので、怖い選手では無かった。中村憲剛の「助手」以上では無いというか。オシム〜岡田時代の代表での中村憲剛は繋ぎのパスも上手く回すし、縦パスやミドルもあって遠藤や中村俊輔の「副官」的立場だったが、その域ではないな。五輪世代の中盤では希少なタイプだけに期待してるんだが。ついでに言うとこの選手をみるとドイツのギュンドアンを思い出してしまう。小柄でパスが上手く、深い位置からゴール近くまで幅広く動き回る中盤という点で。ギュンドアンもあまり得点力は無いがそれでもシーズン5点くらいは決めてるので、大島もせめてそれ位決められるようになって欲しい。(今季は未だリーグ戦無得点)