J2第11節 長崎×岡山(トランスコスモス)


■九州行(2日目)
 2日目はホテルをチェックアウトした後まず長崎の諏訪神社に向かった。長崎くんちの会場はここで、市電で長崎駅から10分程。長崎は市電の本数が多く、系統は幾つかあるが10分も待たずに行きたい方面の電車が来るので便利だ。

この階段を上って後ろを振り返ると山の中腹まで家々が建ち並ぶ長崎らしい風景が。

鎖国の時代から国際貿易港だったという経緯と合わせて、この街は日本のどこにもない独特の風情がある。

 その後は長崎駅に戻り、JRで諫早に向かった。10時に着いて試合は13時と時間があったので市内を散策。まず向かったのは諫早城址で、ここには眼鏡橋があり、長崎市内のそれより立派とのこと。

 その後は城址の丘を登り、次は隣になる上山公園へ。ここの頂上からは有明海など眺望が良いということだったのだが、登山道の入り口が整備された公園というより普通の山道で、さすがに上る前に一瞬躊躇った。

 それでも苦労して上ったのだが、頂上の展望台に上っても周囲の木々に視界を遮られてあまり眺めもよろしくないという始末。そこから下山すると丁度スタジアムの裏手に出た。

■観戦記
 スタジアムは数年前の国体に向けて建て直されただけあって新しく、陸上トラック付とは言え2階からは結構見やすい。規模的には等々力に近いかな。試合前には社長に就任したジャパネットたかた前社長である高田氏の挨拶があったが、TV通販で見せる顔とは違い、会社を興し一代で売上1000億円超まで伸ばした経営者としての顔だった。
 試合について。長崎は前節ファンマのハットトリックで快勝していたが、今日もロングボールに反応したこの選手が相手をうまくいなしてシュートに持ち込み、先制。経歴を見たらバレンシア出身でギリシャスコットランドの1部でもプレー経験がある選手だが、スペイン人アタッカーに多いスピードとキレで勝負するというよりは、体格を生かして相手のマークをはねのけてシュートに持ち込むタイプ。ファンマ以外にも今季から特にJ2で急にスペイン人選手、監督が増えているが、これは代理人の売り込み先の1つに日本が加わったとか、そんな背景がありそう。
 長崎には元マリノスが3人いた。3バックの中央の田代、左ウイングバックの古部、そしてベンチにはCB北谷。3人ともマリノスでは殆ど試合に出られなかったが、特に今年29歳の田代、32歳の古部が今も試合に出ているのは嬉しい。
 先制直後には中村の追加点を挙げるなど長崎が前半半ばで既に2点リードしていたが、そこから岡山もボールを支配して攻め込んでいく。岡山のパス回しは長崎や数日前に観た水戸や町田と比べても洗練されていたが、決定機を作り出すまでには至らず。今はJ2でも下位に低迷しているようだが、昨年プレーオフ決勝まで勝ち上がった反動かな。得てしてタイトルや目標にあと一歩で届かなかった場合、一種の燃え尽き症候群とでも言うか、翌シーズン成績を落とす事が多い。それでも基盤、軸足が定まっていれば2年後、3年後にジャンプアップするものだが、今の岡山はまさにそこに至る苦しみを味わっている様に思う。戦力としては岩政の移籍、矢島のレンタルバックというのが大きいな。この2人に代表されるように、経験のある30代のベテランかJ1で試合に出られない年代別代表経験のある若い選手が主力である以上、こうした事態は避けられないリスクとしてあるのだと思うが。
 試合は後半にCKから中村が決めて長崎が3−0とし、試合終了。試合後はシャトルバスで戻るつもりだったが、スタジアム傍から発車しているのは駐車場までのバスだけで、駅行きに乗るのは少し歩いた道路沿いまで行かないといけなかった。駅までは歩いても20分程度ではあったのだが、試合前に2回も山登りした為に、もはやそこまでの力は残されていなかった。

 駅に戻ってもホテルのチェックイン時間まで少し時間があったので、近くのケーキ屋でお茶をしつつ休息し、ホテルへ。中に大浴場があり、これで大分疲労回復出来た。