天皇杯3回戦 横浜M×横浜FC(三ツ沢)


 6年ぶりのダービーだが、三ツ沢開催は07年以来2度目。今日の両チームキャプテンマリノスが中澤、横浜FCがカズだったが、2人とも11年前の三ツ沢の試合に出ていた。当時既に40歳だったカズが11年後の今日もスタメンという事実には改めて驚かされるが、中澤も今年ついに40歳に到達し、両キャプテン合わせて91歳という。横浜FC松井大輔(37歳)もスタメン出場したが、上2人があまりに突出してむしろ若く見えてしまう(笑)

 試合はマリノスがボールを支配するものの、後ろでキープする時間が長く縦にボールが入らないシーンが多かった。時折右サイドの仲川、左サイドの山中が突破するシーンはあったが決定機までには至らず。全体的に動きが重かったがやはり前の試合から1ヶ月以上空いた為だろうか。その点W杯期間中もリーグ戦を戦っている横浜FCの方が動きはキレていたと思うが、リーグ戦の合間だけに今日はターンオーバーしてきたようで、それを考えると横浜FCの健闘が目立つ前半だった。
 後半もマリノスが押し気味で横浜FCが中盤でボールを奪ってカウンターという展開だったが後半の丁度半ばに右サイドから最後は戸島が押し込んで横浜FCが先制した。その直後にマリノスはウーゴ、伊藤の2枚替えで点を取りに行ったのだが、カップ戦でのウーゴ、伊藤ベンチというのは切り札という点でこれまでもかなり効いてる。今日も何かしらやってくれるだろうと思っていたが、失点から約10分に扇原の左クロスをウーゴが合わせて追い付いた。その後は横浜FCの運動量が落ちてきたのもあってマリノスが更に押し込むようになったが2点目は生まれず延長戦へ。
 延長は前半7分にマリノスがPKを得てこれをウーゴが一度止められつつもこぼれを押し込んでマリノスが逆転に成功した。この頃になるとお互い消耗して、マリノスが押し込んで決定機を作りつつも横浜FCもカウンターでゴールに近付くシーンが増えていった。特に左SB山中は見るからに動きが落ちて横浜FCの突破を掴まえきれずシャツを引っ張るシーンまで。マリノスは3点目を取れるシーンは幾度もあったがクロスバー直撃もあったりで追加点ならず、延長後半の終了間際には横浜FCが連続で2~3度ゴールに近付いたものの決めきれずこのまま2-1でマリノスが勝利した。
 
 マリノスは久々の公式戦だったとは言え、中断前にブレイクしていた仲川が今日はあまり効果的な動きが出来ていなかったり、延長から投入されたブマルも未だ戦術理解が高まってない(ボールを失った後の守備への戻りの遅さ等)のが見受けられてリーグ再開後どうなのかという内容ではあった。守備はラインの高さが調整されてこれまでのような飯倉チャレンジを食らうリスクはかなり減ったとは思うが、攻撃は以前書いたようにもう人を替えるしか伸びしろは期待出来ないのではと思う。
 横浜FCで知ってる選手はカズ、松井を入れても3~4人だったが、その中で印象に残った選手について。
・辻 周吾(GK)
 今季途中に鳥栖からレンタル移籍してJ2でも10試合に出ている。ブーイングに動じずゴールキックで遅延行為と判定されないギリギリの時間の使い方をしたり、PK時にウーゴから見て中央やや右寄りに立ち、目論見通りウーゴに左に蹴らせてセーブした駆け引きは若いGKらしからぬ強かさが感じられた。年齢を調べたら東京五輪世代で、若いGKで試合に出ているのは貴重なので伸びて欲しい。
・戸島 章(FW)
 1トップに入った長身のアタッカー。遠目に見ると杉本健勇に似ているので覚えているのだが(笑)、120分間ゴールキックのターゲットとして身体を張りつつ、先制点も取ったのだからアタッカーとして十分な出来。
・立花 歩夢(MF)
 後半半ば過ぎに途中出場した選手で、主に中盤から左足でゲームメイクするタイプのようだったが、プレーに妙に落ち着きがあるというかテンポを操りつつプレーしているのが目について印象に残っている。経歴を見たら今季流経大から入った新人だった。

 延長になって帰りが30分遅くなるのかよと思ったが、今日は19時開始、ルヴァン杯はいつも19時半開始なのでそう変わらなかったな。試合終了と同時にスタジアムを出たら丁度バスが来て、それほど混まず横浜駅へ。