2019シーズンを展望する

 スーパー杯も終わって気付いたら2日後には開幕戦(と書いた後C大阪×神戸は金曜なのでもう明日)になっていたので今年もマリノスの展望をば。ここ2年は開幕前週に近場で練習試合やPSMがあって、それを観てある程度どんなサッカーか把握した上で展望していたのだが、今年の前週は非公開試合で、映像もキャンプ中の試合を多少視た程度。なので予想は立てづらいのだが、移籍動向などから概観してみる。

 昨オフの移籍動向で思ったのは、今季はクラブがかなり勝利(タイトル)に拘っているんだなということ。まず目を引くのは若手の大量レンタル放出だが、若手と言ってもリーグ戦で一定の出場機会を得た遠藤や山田は残り、レンタルとなったのはリーグで試合に絡めなかった選手が中心。モンバエルツ以降ルヴァン杯GLは若い選手のテストの場となって喜田や遠藤など数人は台頭したが、あれだけ大量起用した割に、という感もある。意図的に出場機会を与えて成長を促してきたがそれだけでは何かが足りない、またまるで練習試合の様な若手大量起用による観客動員減(と減収)を考えたらクラブにとって効果的ではないと判断したのではと思う。以前も言ったがマリノス、特にユース出身者の課題は技術面ではなくメンタリティにあり、一度他のチームで揉まれてからプロで戦える選手になる例が多い。レンタル先もJ1からJFLまで幅広いがこれはその選手の現時点での能力、期待値を反映したものかなと思う。それを踏まえれば仙台に行った吉尾はクラブとしても期待しているのだろうし、逆にJ3やJFLにレンタルとなった選手達はそこから這い上がらないといけない。
 クラブの本気については、中澤の引退でも感じた。去年の12/1に最後の公式戦を終えてから2ヶ月近く経った後で引退を発表した訳だが、その間クラブと話し合い、あくまで推測だがそこでクラブ側は出場機会を保証出来ない旨を明確に伝えたのではないかと思う。実際監督のサッカーにフィットするのはチアゴ、ドゥシャンな訳で、これまでのマリノスが出来なかった(そして特に鹿島が上手くやってきた)「若手、中堅が実力でレギュラーを奪い、重鎮が退く」構図がここにある。今までなら場当たり的な補強で結果的に10年、16年オフのような「ベテランがまだまだレギュラー、準レギュラーとして健在なのに世代交代の為に無理に放出」といった事態を招いてきたが、クラブとして中長期も含めた方針を明確にすると今回の中澤や中町の様にお互い後腐れなく別れることが出来るいい例ではないかと。
 
 入ってくる選手についてだが、限られた資金の中で上手くタレントを集めたなと言う印象。年が明けてから山中を放出したが、あれもそれだけ収入が必要だったが故、だろうし。徳島から獲った広瀬は14年のU19代表(他に南野、三浦、中村航輔、井手口ら)だったが、松原や山中と同じくここ数年狙ってる「負傷などでやや成長が停滞しているが年代別代表の経験はありポテンシャルのある25歳未満の選手」にまさに合致。そういう意味でずっと協会で年代別代表に関わってきた小倉氏の人脈が大きいんだろうなとは思う。その他李と三好は個人的になかなかのヒット。李は特に苦しい時に顔を上げて前を向ける選手なので、大人しいタイプが多いマリノスにとってこういうタイプは貴重。また三好は中盤の攻撃面で期待したい。去年の特に終盤は扇原、天野、大津+後半途中に喜田でほぼ固定され、この中で相手ゴール近くでプレーして点に絡めるのは天野だけ(大津も当初はそういう役割だったが中盤のダイナモタイプに変わった)。まぁ三好の場合あまり得点が多くないのがネックではあるが。去年札幌でミシャサッカーのシャドーというゴールチャンスの多い場所で起用されながらシーズン3点はやはり少なすぎる。
 そういう中でシーズンの結果に直接影響するのはやはりエジガルやマルコスの出来かな。マルコスは右の仲川だけでなく左からも同じ様にゴールやチャンスメイク出来る存在として、エジガルは何よりゴール数が求められるが、中盤の得点力に不安がある分、仲川と合わせて3人で30ゴール以上を期待したい。また左SBティーラトンも去年J1を経験しているのは大きいし、プレースキッカーとして(特に天野がいまいちなCKで)戦力になるのではと思う。場合によっては右から松原(日本)、チアゴ(ブラジル)、ドゥシャン(セルビア)、ティーラトン(タイ)と全員国籍の異なる最終ラインになる訳だが(笑)

 そんな感じで前線の爆発如何ではあるが、今季は意外と良い成績残すのではないかと思う。開幕も行くことに決めたが、開幕節で遠地に行くのは実に2003年1stステージ開幕(vs磐田@エコパ)以来。雨も降らないようだし2年振りの吹田スタジアムは楽しみ。