年間表彰2020(前)

 例年なら年末に発表する当blogの日本サッカー年間表彰だが、今年はリーグ最終節が例年より2週遅く、またルヴァンの決勝も年明け順延という状況を踏まえ、年を越しての発表とした。まぁ代表戦に関してはそもそも親善試合4試合しかやってないのだが、その中から敢えてということで。ただベストゴールについては総ゴール数が2でその内1点はPKなので今年は該当無し。ちなみにその1点はコートジボワール戦終了間際の植田のヘッド。

■年間ベストマッチ
※過去の受賞試合(画像クリックで拡大)

1位:コートジボワール戦(○1-0/2020.10.13/親善試合@ユトレヒト
 4試合から選ぶとすれば相手の強さ、結果を踏まえてこの試合かなと。ゴールは最後の最後だったが、開始からバランスの良い好内容だった。個人では遠藤航の対人守備の強さが印象深く、ブンデスで高い評価を得ているのも納得。

■年間ワーストマッチ
※過去の「受賞」試合(画像クリックで拡大)

1位:メキシコ戦(●0-2/2020.11.17/親善試合@グラーツ
 4試合の中では最も強い相手ではあったが、強豪との距離を測る上での貴重な試合だった。森保氏は選手の自主的な判断に任せる部分が大きい分、こういう強豪相手の親善試合では当面こういう内容が続くようにも。なおこの試合に限っては濃霧の印象度強し(笑)
 
■年間ベストゴール
※過去の受賞ゴール(画像クリックで拡大)

前述の通り今年は表彰無し。

■最優秀若手選手(U-20)
※対象は2000/1/1生まれ以降の選手
※過去の受賞者(画像クリックで拡大)

1位:瀬古(C大阪
2位:久保(マジョルカビジャレアル
3位:谷(湘南)
 これが今年夏までだったら2年連続で久保だったが、ビジャレアルであまり輝いていないというのを考慮して2位。1位はJのベストヤングプレーヤーと同じく瀬古で。J1で4位に入るチームのレギュラーCBというのはやはり大きい。
 3位は海外組でも菅原(AZ)などいて迷ったが、今年特に台頭が目立ったGKからということで湘南のを。まだ東口の牙城は大きいと思うので、今年もレンタルで試合経験を積んで欲しい。
 数年前は試合に出るU20世代自体が少なく、チームで準レギュラー格でもこの表彰でランクインすることもあったが、去年は若い選手が数多く出場機会を得た。過密日程&交代枠5名の影響も大きかったと思うが、特に2000年生まれ以降の世代はそのすぐ上の世代に比べてもより現代サッカーに適した素材が多い印象がある。この世代でJ1で15試合以上出場したのは23名にもなり、また今年の高卒1年目世代(01年度生まれ)だけでなく現高校3年世代からも鳥栖の中野(14試合)、湘南の田中(17試合)など一定の試合に出ている選手が出ている。ここまで来るとパリ五輪世代になるが、東京五輪の選考でも一気に有力候補になる選手が出てきて、層の厚みは増した。


■最優秀監督
※過去の受賞者(画像クリックで拡大)

1位:鬼木(川崎)
2位:片野坂(大分)
3位:長谷部(福岡)
4位:下平(横浜FC
5位:小林(北九州)
 この選考は元々タイトルを獲った監督だけでなく、手持ちの戦力に比べて好結果、内容を残した監督を評価したいという趣旨で始めたものだが、まぁ今年はリーグと天皇杯の2冠&圧倒的な攻撃力というサッカーそのものからこの人しかいないな。これまで結果を出してきたサッカーを変えて更にチームをグレードアップさせたというのが素晴らしい。多くの人が指摘しているが、やはり19年33節のマリノス戦(アウェイのマリノスが4-1勝利)がターニングポイントだっただろうか。
 これまでのやり方を変えたという点では5位小林氏もこれまでのイメージを覆すサッカーだった。改めて過去の選考を見返したが、山形、徳島、清水に続く4クラブ目でのランクイン。どのクラブでも一定の結果、内容を見せる点においてまさにプロの監督。
 2位片野坂氏はこの選考の常連だが、今年は過密日程という状況でしっかりリーグで11勝して11位。同じく4位平氏も今年は降格が無かったとは言え昇格チームを率いて若い選手を積極起用しての15位フィニッシュということで。
 3位の長谷部氏はJ2優勝の徳島と同勝点の2位ということでの選出。この人も桐蔭の李国秀氏の教え子なんだよな。以前も書いたが今Jや協会で活躍する監督には
マツダ~広島系統(森保、高木、小林、片野坂、森山 等)
住友金属~鹿島系統(鬼木、相馬、手倉森、関塚、石井、大岩 等)
の2系統あると思っていて、桐蔭の李国秀門下生はそれに続く第3勢力になるのではと期待している。今年山口の監督に就任する元仙台の渡邉氏や解説者の森岡氏、戸田氏など。まぁもう李氏は桐蔭では教えていないのでその数も限られてしまうのだが、育てて勝つ広島系統、勝負に拘る鹿島系統とはまた違った理詰めに考えるサッカーという印象があるのでそうしたスタイルの違いをJに持ち込んで欲しいなと。

 前編はここまで。後編かつメインのMVPは現在絶賛投票回収&集計中につき、連休中には・・。