改めて、別れを。

 かなりの緊張感を持って臨んだ実習だったが、予想以上に“穏やかな”雰囲気に正直戸惑っている。同期が早くもSEの現実に直面しているのに対して申し訳なさすら感じる程だ。

 座学の研修から仕事の現場に放り込まれてもこんな感想を抱けるのは、やはり一度営業実習で職場を経験した事が大きい。6月に初めて実際の職場に行った時ほどのインパクトは、今は感じない。そんな実習2日目を終え、今日は同期との別れの宴へ。

 今週限りで東京を離れる同期を送る飲み、という趣旨だったはずだが、先月の研修最終日ほどの感傷が湧く事は無かった。あまりにも日常的な平日飲み―――別れという言葉なぞ似付かわしくない位の―――だったせいもあるかもしれない。失って初めて大切なものに気付くというが、おそらく今回もそうなるだろう。だが、こんな別れも良いのかもしれない。涙より笑いの別れの方が職場にいる人間に相応しいと思うし。
一本締め×2を終え、先月より遥かに楽な帰宅中の車内でそう思った。