J1第30節 横浜M×浦和(日産)


 今日の試合はスタジアムに着くのが遅れ、開始早々の大黒の先制点はスタジアムコンコース内のモニターで視た(苦笑)監督が代わったばかりの浦和は前半半ば頃までぎこちなさがあったが、その後パスが回るようになり、後半の2ゴールで逆転、その後のマリノスのパワープレーを凌いで勝利した。
 ・・・とあっさり試合を振り返ったが、今日の両チームのスタメンは外国籍選手がいなかった(エスクデロはユース上がりで日本に帰化)故もあり、今回は試合そのものよりも、育成について思う所をば。

 結論から先に言うと、マリノスは人を育てる事が出来ないのではないかと思う。いや下部組織は今でも継続的に結果を残して、トップ昇格選手もここ数年毎年輩出しているから(熊谷アンドリューにはマジで期待。)誤解の無いように言えば、“試合に出せば鍛えられると安易に思っていて、本当の意味で若い選手をトップチームの主力に育てる事が出来ない。あるいはそのノウハウを持っていない”。
 早野時代の07年頃から、経済的な事情もあって、即戦力を補強するよりもユース上がりを始めとする若い選手を起用するようになったのだが、果たして2011年の今、チームの中心、大黒柱と言える選手はいるだろうか?年に数回、チームの調子が良い時に、良いプレーを見せる選手はいても、苦しい時にプレーでチームを引っ張る選手はおらず、そういう時に頼りになるのは、未だに中村、中澤の両御大。今日の試合も中村はまだ90分フルで出るには厳しそうだったが、ボールを持てば違いを作り出し、時には華麗なマルセイユルーレットすら披露していたが、一方で長谷川アーリア、狩野は出番すら無かった。
 何故このように感じたかと言うと、今日の対戦相手には原口、山田、濱田等下部組織上がりの選手が多く出ていて、そのプレーからはベテランの陰に隠れるのではなく、チームの主力である事の自覚が伝わって来たが故。まぁ原口などは逆にあの歳で背負わされているものが大き過ぎる感もあるのだが。
 そのような浦和の姿をみて、はてマリノスは、と言うと、今の中堅・若手でそこそこ結果を出している選手は、例外無く、他のチームを経験している人ばかり。J2水戸で鍛えられた小椋、JFL時代の熊本にレンタルされていた飯倉、マリノスユース育ちながらプロとしては川崎で育った谷口、等。小野はよくやっている方だが、“19歳の”という形容詞を外した時に果たしてどうだろうか。一方でマリノスで伸び悩んでレンタルされた選手はと言うと、ハーフナーは才能を開花させて今や欧州行きかと言われるほどだし、水沼、齋藤もJ2で主力として期待通りの結果を残してる。少し前に2部に落ちた広島で槇野や柏木が鍛えられて主力に成長したり、今まさに浦和で原口らが厳しいチーム状況で成長していたりするのが、今のマリノスでは難しい訳だ。
 
 やっぱ本当の意味で今の状況に適応出来てないのかな。少し前までは、チームが低迷したら他から代表クラスの選手を補強して成績も盛り返してた訳だけど(古くは城、サリナス、21世紀以降なら久保、奥、安貞桓等)、経済的に厳しい今でもそれを引き摺っているというか。去年の今頃、松田や山瀬を戦力外にした大義名分は監督曰く“血の入れ替え”だったけど、本当に入れ替えるべきは選手よりもこのような運営者のような気もする。

 浦和との対戦ではこのように色々と思う所が出てきてしまう。以前も書いたが、おそらくこの2チームはコインの表裏のように、腐れ縁で繋がってるのだろう。