■中部地方の旅(3日目)
最終日は高山から特急で犬山城に向かった。鵜沼駅で名鉄に乗り換えて1駅目で降りたのだが、コインロッカーが駅構内にしかないのに気付かず改札を出てしまい、城まで1km以上キャリーバッグを引いて歩く羽目になってしまった。
城は木曽川の畔にある。名前は知っていたし、天守閣が現存する12城の一つで国宝でもあるのだが何故か忘れがちだった。今旅でも当初は予定してなかったが高山から岐阜へ向かうルートを地図で眺めていた時に近くを通るのに気付いて日程に組み込んだほどで。つい先月の落雷でシャチホコの片方が破損したのだが、まだ修復はされておらずそのままの状態だった。天守内には破損したシャチホコが展示されていた。
天守閣内には現存天守の写真も飾られていたが、12城の内10は行ったことがあった(笑)行ってないのは丸岡城(福井)と備中松山城(岡山)のみ。城を見学した後は名鉄とJRを乗り継いで岐阜駅へ。試合にはまだ時間があったので取り敢えず岐阜城へ向かった。
この時期は霞んでしまうが相変わらず眺望は素晴らしい。これから向かうスタジアムもよく見えた。
天守閣を見た後はロープウェイで下って屋内でしばし涼んだ後、徒歩でスタジアムに向かったのだが、長良川を渡る頃には怪しい黒雲が出始め、
川を渡ってコンビニで買い物しているとついに雨が。
雨は局地的だったので30分程すると雨脚は弱まったが、思えばこうした旅先での観戦で雨に降られた事はこれまで無かった(はず)。
■観戦記
このスタジアムはメインの一部にしか屋根が掛かってないので、着くとまず屋根下を確保し、それから夕食用にスタグルを食べに行った。メインスタンドのアウェイ側に座ったのだが、岡山サポも結構いて、アウェイゴール裏だけでは無くメインにもそれなりの数の人々がいるのは、このチームが伸びている証ではないかと思う。応援=ゴール裏だけではなくメイン、バックではその場所なりの応援の仕方があって、それを知っている人が多いという事はそれだけ普段ホームスタジアムで観ている人が多いという事だろうから。こういったサポ層の厚みはチーム力にも反映されるものだ。今季は現時点で中位だが、数年以内に必ずJ1に来るだろうと思う。
ホームチームだが、今まで観戦してきて大概のチームは(ホーム、アウェイに限らず)観たことがある中で実は岐阜を観たことは無かった。今季は大木監督の下でパスサッカーになっているとのことだったが、試合開始2分で1トップのクリスチャンが負傷退場し、マリノスからレンタルの中島が出場。そのすぐ後には岡山が先制した。
岡山の先制後も展開としては岐阜がやや押し込む形だったのだがなかなかフィニッシュまで持ち込めず。中島はクリスチャンのポジションにそのまま入ったのだが、中盤に下がってボールを捌くプレーが多く、シュートシーンでも精度を欠いていた。マリノス時代からそうなのだが、正直この選手はどのポジションが最適なのか、更に言うと何が出来る選手なのか未だ掴めない。相手のマークを外しながらのパスの受け方など局面での動きはセンスを感じるのだが、そのセンスがチームの勝利に、ゴールにどう結び付くのかがいまいち見えてこないんだな。ゴールの数なのか、アシストの数なのか、それともポジションを下げて中盤の司令塔としてなのか、今はその全てが出来そうな雰囲気を漂わせながらそのどれも出来ずにいる状態。高校時代は2列目だったしタイプというかプレースタイルとしては鳥栖からブンデスに移籍した鎌田の様な中盤で走りつつトップ下でゴール、アシストを決めるのが理想なのかなと思うし、今日のような1トップの適性は無いかもしれない。だが、そんな中でもシュートシーンは2~3度あり、それを決めることが出来なかった。結果は1-1の引き分けだったが、中島が1点でも決めていれば勝点3を取れた試合だった。岐阜ではかつて齋藤が愛媛で覚醒した時の様に、ゴールに絡める選手、チームの浮沈の鍵を握れる選手、要は監督がこの選手は外せないと思うような選手になって欲しい。そうで無ければこのレンタルは片道切符になってしまうだろう。
この試合で他に印象に残っているのは岐阜のシシーニョと岡山のGK一森だな。シシーニョはあまり背は大きくないテクニシャンなのだが、日本なら中盤のアンカーか守備専ボランチかと思うほどの激しい当たりを見せていて、こうしたタイプがプロの世界で生き残る上でのお手本を示していたように思う。また一森は飛び出しのタイミングが良く、岐阜の攻勢をよく防いでいた。岡山にはリオ五輪代表の櫛引もいるが、一森の控え。GKは枠1つの厳しいポジション争いとは言えJ2でも出番が無いのは厳しい。
試合は前述の通り、1-1の引き分け。岐阜のサッカーは洗練されていて同点ゴールの展開も見事だったのだが、やはりサッカーは最後点を取ってナンボの世界で、その点で足りなかった。終了の笛と同時にスタジアムを出てシャトルバスに乗り、20:20頃に岐阜駅に着いたのだが大雨で30分遅延の表示。だが、ホームに上がると丁度その30分遅れの新快速がやってきて20分で名古屋駅着。新幹線も遅れていたのだが、これまたいいタイミングでのぞみが来て21:00頃に名古屋を出て無事帰宅した。