J1第1節 横浜M×G大阪(日産)


 マリノスの公式戦は今日までに既に2試合観てるし、昨日も観に行ったのであまりシーズン開幕!という感じはしないがようやく開幕戦。ACLの影響で日曜開催となったが、奇しくも去年の開幕戦も2/23だった。相手も同じガンバ。
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この試合は開始直後にいきなりミスから先制されるも前半の内に逆転し、点の取り合いの末に3-2で打ち勝つ結果となったが、内容的に前シーズンとは明らかに違うボールの回り方で期待を抱かせるものだった。

 そして今日も前半早々にマリノスDFとGKのパス回しのミスを突かれてガンバが先制。このシーンに限らず今日のガンバは前から積極的にボールを追ってGK朴から簡単にフィードさせず、対マリノスで色々準備してきたんだろうなというのを感じさせるプレーが多かった。例えば(特に前半は)GK東口がゴールキックや前線にフィードする際は、1トップの宇佐美は必ずCB伊藤に付き、東口も伊藤の正面では無く横のスペース目がけて蹴っていた。これで何が起こるかというと、伊藤からしたら横に流れつつ(そして宇佐美をケアしつつ)ボールを処理しなければならなくなり、結果、前に跳ね返すのもままならず外に出してしまったり、宇佐美にボールを収められてしまう、というシーンが何度もあった。
 また守備面でも準備してきたのが覗えた。マリノスの攻撃の鍵はボール支配率ではなく、ハーフスペースと連携でゴールライン際まで侵入し、そこからグラウンダーのクロスを中に入れて中央で合わせる、というのが典型的なパターンだが、4バックでSBと中盤でサイドの守備を厚くして、そのスペースにマリノスのアタッカーを侵入させなかった。その結果、マリノスは浅い位置からのアーリークロスがメインになって、そういうクロスでは三浦、キム・ヨングォンの壁を破るのは難しい。また中に切り込んでもガンバ守備陣はシュートコースを消すなどかなり集中して守っていた。これもおそらく事前に想定していた攻撃であるが故に守る方も割り切っていたのだろうと思う。

 去年の試合は前半でマリノスが逆転したのだが、今日はガンバが追加点。東口のフィードに抜け出した選手からのクロスから最後は矢島が合わせたのだが最初はオフサイドの判定だった。しかしVARチェックにより抜け出た選手がオンサイドと確認されゴール認定。昨日に続いて2連続でVARに遭遇したがこれはもう1試合に何回かは起こり得ると考えるべきだろうな。思えば去年の仲川の1-1に追い付く同点ゴールは厳密にはオフサイドで、もしVARがあれば結果は分からなかった。これも何かの因果か・・・。

 後半は開始直後にオナイウが決定機を迎えるが枠を外し、25分頃にもマルコスが至近距離からグラウンダーでゴールに流し込もうとするもコースが甘く東口がキャッチとビッグチャンスを2度逃した。ただ後半半ば過ぎからガンバも運動量が落ちてきてゴールライン際まで侵入出来るようになったし、喜田→エリキの交代で前線に5人並べて(中盤は扇原が一人で頑張る)前から圧力を掛ける布陣も奏功してガンバを押し込んで行った。そして30分過ぎにマルコスが反転シュートをゴール左上隅に決めるゴラッソで1点差に迫った。その後も攻め込んだが点は生まれず1-2で敗戦。

 後半は押し込んでいたし、地力があるのは間違いないが、ACLとの両立の影響も感じさせる試合だった。ガンバに対策された以外にも単純なパスミス、トラップミスがいつもより多かったかな。シドニー戦からGK以外メンバーを代えずに今日を迎えたが、今は敢えてオナイウを機能させる為に起用しているのだろうか。ベンチにエリキ、エジガルがいるのは大きいが、それ以外で違いを作れるタイプは実はそんなにいない。また今日の前半のようにサイドのスペースを封じられた場合の打開策の1つとして中央からミドルという手もあるが、今のメンバーにそれが出来るのは強いて言えばマルコスぐらい。喜田はエリアのすぐ外の中央でボールを持つシーンが何度かあったがこの選手は左右に散らすことは出来てもミドルは年に1度あるかどうか。また後半は扇原がエリア外から打っていたが、ブレ球FKは蹴れても元々ミドルを打つタイプではない。

 今はまだ序盤戦だが、シーズンが進むにつれて新戦力をどう機能させるか、見かけほど厚くは無い選手層をどうやり繰りするかが監督の腕の見せ所になるな。最初あまり開幕戦という感じがしないと書いたが、こうして振り返るとやはりシーズンが本格的に始まったことを実感してしまう(笑)