J1第31節 横浜M×札幌(三ツ沢)


 8月から毎月続いた三ツ沢開催も今日が最後。一度は雨に降られるのを覚悟していたが、結局一度も降られずに済んだ。今日は気持ちの良い秋晴れ。
 リーグも残り4戦となり、上位3つが僅差で競り合う状況だけにここからはトーナメントのようなもの。1発勝負のカップ戦のような、1点の重みを感じる展開が毎節続くだろうなと思いつつ試合が始まったのだが、前半5分で2-0という(笑)開始2分も経たない内に札幌GKク・ソンユンに詰めてボールを奪ったエリキがそのまま無人のゴールに流し込み、そのすぐ後にも右から仲川が仕掛けてクロスを再びエリキが頭で合わせて追加点。前半10分にはCKから鈴木武蔵に押し込まれて1点返されたが、前半半ばにカウンターから仲川がドリブルで中央突破してそのまま決めるゴラッソで3-1。このゴールは去年のホーム仙台戦を思わせるこの選手らしいゴールだった。
 こんな感じでマリノスは更に点を取れる匂いがする一方で札幌も同じ匂いが有り、打ち合いに終始する前半だった。ただ前半終了間際にFKから進藤のヘッドとそれに詰めたシュートを防いだGK朴のセーブは大きかったな。あれを決められていたら3-2で、前半の展開からして札幌が勢い付いて逆転されることも十分有り得た。

 後半は少し落ち着いてマリノスが押し気味に進め、何度かチャンスがある中でマルコスがPKを得てこれを決めて4-1。その後もマリノスは前掛かりになる札幌の裏を突いてチャンスを作るのだが、一度途中出場の遠藤が右サイドを独走してそのまま自分で決められる状況にもかかわらず、左から走り込んだエリキにパスしてしまい、このパスが呼吸が合わず点に結び付かなかったシーンがあった。そのすぐ後に札幌が1点返して4-2。この選手も少しづつゴールとアシストを増やし、代表新ユニのお披露目会でモデルに起用されるくらいの選手にはなってきたが、こういう所なんだよな。この選手が新人の頃だから2016年になるが、ホーム甲府戦で2-1とリードしている状況で中村俊輔が相手ゴール前で自分でも打てる状況でこの選手にパス、そしてフリーで打ちながら外した場面を思い出した。その試合は結局終了間際に追い付かれて2-2。
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 今日は勝ったが、こういう甘さはベンチ以上レギュラー未満という現在地からのステップアップを阻害するように思う。
 このまま試合終了。鹿島が敗れた為マリノスは2位浮上した。ただ残りは川崎、FC東京との直接対決を残しているし、次戦の松本もホームではマリノス以外の上位7チームに全てドローという粘りを見せているらしいので、恐らく毎節終える毎に順位が変動し、最終節の終了の笛がなるまで予断を許さない展開が続くだろう。

 札幌としては立ち上がりの2失点が勝負を分けた形になったが、このチームや広島、大分など3バックでGKから丁寧にビルドアップするサッカーの研究は進んでいるなという印象も受けた。今日のマリノスもそうだが前線の選手が相手GK、最終ラインをチェックして思うようなパス回しをさせない場面が多く、そういった相手の研究に対してミシャやJFK、片野坂氏の次の一手はどうなるのか興味深いところ。まぁミシャの場合この基本コンセプトを変えることはしなさそうだが(笑)
 選手では福森の左足が印象に残っている。札幌の1点目のCK、前述の前半終了間際のFKは全てこの選手のキック。セットプレーでは常にゴールの匂いを漂わせていた。まぁマルコスを倒してPKを与えたのもこの選手なのだが、左から逆サイドへの正確なロングフィードと合わせて危険な左足だったな。桐光出身とのことで、中村俊輔藤本淳吾と偉大なレフティの系譜を継ぐ男、ということか。