J1第4節 横浜M×FC東京(日産)


 前回の観戦から140日。ようやくまたスタジアムでサッカーを観る日が訪れた。今は再び観戦者が拡大傾向にあって状況は依然予断を許さず、今日も収容5000人限定の全席指定で席間隔を空けるなどかなり制限の付いた中での開催。だが、今は第一波時とは重症者の数で明確な違いがあり、観戦を防ぐ為に様々な対策をして少しづつでも前に進む事が重要であり、こうした安全対策は例えコロナの流行が収束した後でも必ず運営ノウハウとして蓄積され役立つはず。

 そんなことを思いながらスタジアムに着いたのだが、5000人とは言えアウェイゴール裏を除く1階席に均等にバラけて座るので思ったよりも少なさは感じなかった。試合前は暗転してトリコロールギャラクシーも行われたが、↑の写真の通り、2階席に人がいないのを除けばいつもと変わらない。
 そして試合が始まったが開始早々にクロスに遠藤が飛び込んでマリノスが先制。遠藤はやはりエリア内でのワンタッチゴールは上手い。サイドのドリブラーという枠に囚われず、もっとこの動きを磨けばゴールは増えるだろうし、プレーの幅も広がると思うのだが。FC東京は前節川崎に完敗してからのこの失点だけに、この時点では去年の最終節の再現かなと思っていた。実際序盤からマリノスがかなり押し込んでいたし。
 そんな中で前半半ばに右サイドからのグラウンダーのクロスに反応した田川が倒されてPK。これをD・オリヴェイラが決めて同点。田川は脱臼?で交代となってしまいレアンドロが代わりに入ったが、そのレアンドロが前半終了間際に直接FKを決めて東京が逆転した。田川は気の毒だが結果的にはこの交代が功を奏した形かな。去年の最終節でも感じたが、田川は高さ、速さも備え身体的なポテンシャルの高さは感じるものの、まだFWとして自分の“型”が無い印象がある。ましてFC東京は前線はコンビネーションというより個人能力への依存度が高い。そういう中でチアゴ、畠中と相対するのはちょっと厳しい。個人的には矢野貴章の再来とでも言うか、鳥栖時代のように3トップのサイドなら相手のSBを押し込む迫力ある攻撃を見せてくれると思っているのだが。
 後半はいきなり東京が右サイドのクロスからレアンドロが合わせて3-1。これ以降はほぼマリノスがボールを支配して押し込む時間が続いたのだが、決定機と呼べるのは2回ぐらいだったかな。いずれもクロスがファーサイドに流れたところで合わせた形だが足にヒットせず枠を外した。2月の開幕戦からそうだが、今季のJリーグではマリノス対策が徹底され、どのチームもDF裏のスペースを埋めてくる。これによって去年終盤の十八番だったライン際まで侵入してグラウンダーで折り返し、中央で合わせるパターンがなかなか作れず、シンプルなクロスばかりになっている。中央で待つのがレヴァンドフスキみたいなCFなら別だが、そうしたクロスでは去年ほど畳み掛けるゴールラッシュは望めない。一応前節、今日とクロスからゴールは生まれているが、1試合2点、3点取れる感じではないな。結局そのままスコアは変わらず3-1で東京の勝利。
 
 試合を通して目を引いたのは東京の選手ばかりだったのだが、特に左サイドの中村帆高は素晴らしかった。水沼や仲川など対面するアタッカーに1対1で負けず、ボールを奪ったらそのままドリブルで前に進む積極性もあった。調べたら今年明大から加入した新人で、小中はマリノスだった(高校は日大藤沢)。広島の佐々木翔、鹿島の小泉慶、長崎の富樫敬真など、中学までマリノスでユースに上がれず高体連→大学を経てプロで大成するパターンは結構あるな。

 終盤は雨が降り出す始末だったが、何れにせよ再びスタジアムで観戦出来ることをまずは感謝。