2021年の観戦振り返り

 例年、年間表彰の後に観戦を振り返る流れだが、表彰の方は現在まだ集計、執筆中につき今年はこちらを先に。
2021年観戦数:29試合
 去年は23試合だったので6試合増だが、2年前までの年間40試合前後という水準には至っていない。この差はマリノスのホーム戦にあまり行けなかった影響だな。2年前まではリーグ戦ホーム、少なくとも土日開催なら皆勤だったが、去年、今年と収容5000人下では気付いたらチケ完売ということが多かった。その代わりという訳では無いが、例年以上に遠地アウェイ戦に行った気がする。今年行ったのは札幌、鹿島、湘南、浦和、神戸。マリノス戦に限れば札幌は13年振り、鹿島は6年振り、神戸は7年振り。緊急事態宣言も複数回発令される中で、感染者数が減少し宣言が解除され、入場要件が緩和されたタイミングを見計らっての旅だった(一方で9月のアウェイ名古屋戦は宣言延長で断念)。
 未踏スタジアム制覇行も継続し、GWに宮崎のユニスタ、7月には遂に日韓W杯日本会場最後の未踏地宮城スタジアムへ。宮スタは五輪の無観客圧力で福島が有観客撤回するなど最後まで実現可否が危ぶまれたが、よく決断してくれたと思う。まぁ実際に現地に行ってみると、五輪と同日に仙台市内で楽天と野球日本代表の試合が万単位の客を入れて開催されており、無観客を主張する人々の根拠の無さやその政治性が明らかになったのだが。

■ベストゲーム
改めてここでの“ベスト”の定義を述べておくと、両チームがお互いに持ち味を高いレベルで出し合う試合となり、一方的に凹すような試合は対象としない。
過去の受賞試合
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1位:横浜M1-1川崎(2021/12/4 J1第38節@日産)
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 今年観たJの試合では最もハイレベルな試合だった。1位2位対決なのである意味当然ではあるが、お互いに相手を牽制しつつ自分達の良さも出し、相手に流れが傾いても選手交代で引き戻し、と最後の瞬間まで目が離せない展開。引分けという結果、L・ダミアン、前田がそれぞれゴールして両人とも得点王となり、試合後の家本主審への花道や両チーム揃っての集合写真撮影も含め、ホーム、アウェイ関係無くあの場にいた全ての人が幸せになる試合でもあった。

2位:浦和2-1大分(2021/12/19 天皇杯決勝@国立)
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 準決勝と迷ったが終了間際に大分が追い付くもその直後に浦和が勝ち越し、しかも決めたのは退団が決まっている槙野という劇的な展開、そして57000人の大観衆と両チームのコレオという最高の雰囲気を加味して。思えば前回の決勝は今年の元日だったから、1年で2回決勝を観たことになる訳か。

3位:日本2-1オーストラリア(2021/10/12 カタールW杯最終予選@埼スタ
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 A代表戦は4年振りだったがこれが予選の転換点になるのを感じさせる試合だった、という意味で貴重な試合を観たのではないかと思う。やっぱ予選のホーム側では終盤に重要なゴールが決まるよなぁ。あのOGの時、昔観たドイツW杯予選を思い出した。

4位:オランダ3-3ブラジル(2021/7/24 東京五輪女子サッカーGL@宮スタ)
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 この前の試合(中国vsザンビア)も4-4という打ち合いだったが、この試合はまずそのレベルの高さに驚いた。お互い確固たるスタイルがあって、相手守備の稚拙さではなく意図した攻撃で崩した得点が多く、女子サッカーのレベルが上がっていることを実感する試合だった。特にオランダは両翼の7番と11番がサイドを攻略し、中央で構える9番がフィニッシャー、10番はその周りを動きながらチャンスメイクという点で男子と全く変わらんなと。 

5位:町田3-3長崎(2021/9/18 J2第30節@野津田)
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 行くつもりだった豊田の名古屋戦が緊急事態宣言延長で行けなくなり、代わりに近隣の試合ということで&バクスタ増築した野津田を観に行ったのだが、磐田、京都を追うJ2上位同士に相応しい試合だった。1-3から町田が追い付き、更に終了間際にも決定機を迎え、そのまま逆転してもおかしくなかった。その他甲府、新潟もそうだが、もし今年昇格プレーオフがあったら史上最高にスリリングかつ予測不能でハイレベルな試合が続いていたことだろう。

今回改め過去の試合も振り返ってみたがマリノスvsフロンターレが多いな(笑)それだけのレベルとパッションが詰まったカードということなのだろう。

■ベストゴール
過去の受賞ゴール
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1位:オナイウ(2021/4/16 J1第10節 札幌1-3横浜M@札幌ドーム)
youtu.be
 マリノスのゴールはほぼサイドを崩してクロス→中央で合わせるというもの。従ってゴールに至るまでの組み立てや連携などは素晴らしいがゴールそのものは同じパターンが多い。その中でこのゴールは右サイドに流れた天野がターンで相手をかわし、左足アウトでクロスという点で印象深い。アウェイで0-1から終盤に追い付き、逆転する口火を切ったゴールというのも価値があった。

2位:上田(2021/5/15 J1第14節 鹿島5-3横浜M@カシマ)
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 飛び出したGK高丘がトラップミスしたのを奪って無人のゴールに流し込み、と書くと簡単そうに聞こえるが、チアゴがカバーに入っている中でカーブを掛けて触れないようなシュートを打つ技術と判断力が素晴らしかった。

3位:エウベル(2021/4/3 J1第7節 横浜M1-1湘南@日産)
www.youtube.com
 前田の落としをダイレクトでゴール隅を正確に捉えたゴラッソ。この選手はウイングというよりサイドにいるチャンスメーカーという感じだったな。序盤はあまりフィットしてなかったが、この試合辺りから徐々に活躍するようになった。

4位:伊藤(2021/11/20 J1第36節 浦和2-1横浜M埼スタ
youtu.be
 これはカウンターから流れるような連携でのゴール。こういう時に後ろから何人も走り込んだり、パスに無駄が無い(ボールを持ってから周りを見てパスの出しどころを考えるような選手がいない)のはそれだけチームとして組織立っているということだろうし、R・ロドリゲスの指導力も感じさせる。

5位:ヤンセン(2021/7/24 東京五輪女子サッカーGL オランダ3-3ブラジル@宮スタ)
sports.nhk.or.jp
動画1:49:30頃より
 オランダが2-3とリードされた終盤の同点FKだが、結構距離があったのでさすがに厳しいだろうと思ったら、という。
 
 これ以外で敢えて挙げるとすれば札幌戦の杉本健勇の同点ヘッドかな。ゴールそのものはクロスに合わせたシンプルな形だが、この選手はマリノス加入後こうした頭で決めるゴールが殆ど。オナイウや前田然り、ここ数年マリノスはアタッカーの特長、強みを活かしてきたのを考えれば、逆説的にこの選手の強みは空中戦の強さなんだなと。これまでは何でも出来る万能FWになろうとして空回っていた印象だが、こうして自分の強みに磨きを掛ければJ1で十分戦える選手と思うのだが。

■ベスト遠征
過去の受賞遠征
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こうした過去の結果を振り返ると初期は「遠征」の定義がかなり適当だったのに気付かされるが、今は「東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県以外で開催される試合」としている。その中でGWにユニスタに行った旅は、鹿児島で友人に薩摩半島を案内して貰い、宮崎では車で宮崎市街、青島神社鵜戸神宮など色々巡って最後に観戦という、我ながら完璧な旅程だった。
宮崎2-1今治(2021/5/2 J3第7節 @ユニリーバスタジアム新富)
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 来年も引き続き未踏スタジアムを巡りたいが、特に長野Uスタジアムは行ってみたいし、専スタでは無いが岡山、山口も2020年GWに行くはずがコロナで断念したリベンジという意味で是非。また広島ビッグアーチも新スタジアム建設予定地見学を兼ねて10年振りに行ってみたい。岡山→広島→山口と山陽道を順番に巡れる試合日程を組んでくれないかな(笑)ともあれ来年は最初から収容100%で開催とのことだが、声出しの解禁も期待しつつまずは観戦の振り返りをば。