J1第20節 横浜M×広島(日産)

 今日は先週末時点では台風接近という予報で行くか迷っていたが、台風も消え、それどころか雨も降らなさそうだったので決断。午後から新横浜の3rdオフィスに移動したのだが、13時頃の新横浜は既にユニを着てスタジアム方面に歩いてる人がいて驚いた。コロナ禍前の自由席の並びならまぁ有り得たと思うがこのご時世、しかも平日でとは。運営や飲食関連のスタッフだったのかな。ちなみに新横浜の街中の飲食店では店員がユニ着用している所が何軒かあった。そんなこんなで18時半に仕事を終えてスタジアムに向かい、東ゲートのスタグルで夕飯を調達して着席した時は開始直後。

 広島は今季味スタで1度観ているが、
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その時はシンプルながらボール回しのテンポが良いサッカーだなと。マリノスも前半戦ではアウェイで完敗した。そんな中での試合だったが序盤の15分はマリノスが押し込み、その後は徐々に広島がマリノス陣内でプレーする時間が増え始めるという展開。自分はどうしてもマリノス基準で相手チームを見てしまうが、中盤の狭いエリアで複数で囲んでも慌てずボールを回せるチーム、逆サイドに大きく展開するプレーが戦術に組み込まれているチームは恐さがある。大概のチームにはここでボールを奪えて(というか奪うことが前提で)、素早く前に展開→チャンスとなるのだが、広島は囲まれてもサポートする味方も近くにいるのでそこでキープされることが多かったし、選手を特定エリアに集めている分、大きく逆サイドに振られると一気にフリーで自陣を突破されることになってしまう。
 選手では中盤の底でゲームメイクしていた野津田が印象に残っている。ボールに絡む回数が多く、チームの中心というプレー。こういう元々は2列目でそこそこ試合に出つつも今ひとつ殻を突き破れなかった選手が、ポジションを下げゲームメイカーとしてブレイクするのを勝手に上野良治パターンと呼んでいる笑。
 と言う展開だったが、前半30分を過ぎた頃に右クロスを逆サイドから走り込んだ左SB小池裕太が頭で合わせて先制。マリノスのチームとしての動きが呼んだゴールだったが、(代表視点で見てしまうと)大迫はあれを弾けなかったかと思ってしまう。逆を取られて難しいシュートだったとは思うが、コース自体は十分守備範囲だったので、手に当ててCKにするぐらいでないと代表で試合に出るのは難しいのかなと。この選手はフィード面は現代的なプレーだと思うが、“シュートを止める”GKという印象は無いんだよな。これは決まったと思うようなシュートに手や足が伸びてセーブするレベルにはまだないというか。

 前半は1-0で折り返し、後半は10分過ぎにマリノスが追加点。これはまず左サイドでボールを受けた宮市から逆サイドの水沼?に通したパスが素晴らしかった。水沼はフリーで落ち着いて後ろから走り込んだ小池龍太に落とし、その速く低いクロスをゴール前の西村が押し込んだ形。宮市はどんどんチームにフィットしているな。今季序盤は縦に仕掛けて止められる事が多かったが、今は無理に仕掛けず周囲との連携で前に進んだり、エリアすぐ外からのシュートやクロスに走り込んで合わせるパターンなどプレーが幅広くなった。ATにはダメ押しの3点目も決めて、これでリーグ3点目。これまでの成績を見ると、18-19シーズンのブンデス2部ザンクト・パウリ時代の5ゴールがリーグ戦でのシーズンキャリアハイなので、これを更新する可能性は十分。
 広島は後半半ばに野津田が負傷で?下がったのは大きかったか。時間が経つにつれて特に右サイドの連携で攻めるシーンが多かったが、上手く崩してフリーでクロスを上げても中はマリノスがしっかり固めているので厳しかった。チームとしてサイドの崩しはかなり共有されているのだと思うが、それに続く二の矢が無いと、後半戦、あるいは来年以降相手の対策も進んで難しくなるかもしれない。

 ということでマリノスはリーグ戦6連勝で2位に勝点5差。鹿島も今節劇的な試合だったが、それでもホームで勝点1だったのを考えると思いの外首位を独走する可能性もある。まぁこれから8月にかけてE1選手権の中断(高丘、畠中、西村辺り3~4人は入るかもしれない)やルヴァンのトーナメント、ACLと試合が続くのでそこをどう乗り切るかが大事だと思うが。
 そしてこの試合で忘れてはならないのがチャントの解禁。2020年2月23日の2020シーズン開幕戦以来、実に2年5ヶ月ぶりにここで声を聴いた。
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 この当時既に中国から新型コロナウイルスと呼ばれる感染症が日本に入り込み始めて、スタンドも8割方マスク姿だったと記憶している。この節自体はいつも通り開催されたが、その直後にリーグは中断。約2年半前だが、4~5年前のような感覚すら覚える。全てが未知で手探りだった当時と違って、今は明らかになったことも多く、このまま「実証実験」の付かない通常の運用に戻ることを強く願う。