J1第4節 FC東京×広島(味スタ)


 マリノスは今節アウェイ札幌なので今日は味スタに行くことにした。別件で開始に間に合わなかったのだが、いつも通り渋谷から井の頭線経由で行くと、特急が途中の千歳烏山で停車、そして試合開始に間に合わない時間帯だった為か飛田給に臨時停車せず調布で乗り換えが発生。これまでは明大前から特急なら調布停車を挟んでそのまま飛田給に行けたので、実際以上に時間が掛かった様な感覚を覚えた。結局席に座れたのは前半15分頃。

 前半はお互い新監督故に攻撃時にはボールを持った後で味方を見るシーンも多々あってどこかぎこちなく、一方で守備時はしっかり寄せるので、チャンスは意図した崩しよりも高い位置で相手のミスからボールを奪ってショートカウンターというパターンが多く、少し膠着気味だった。広島新監督のスキッベは前節からベンチ入りだが、就任が発表された時は驚いた。日韓W杯時のドイツ代表アシスタントコーチだったが、監督は指導歴の無いフェラーだったので実質的な戦術指導はこの人。元々その前から若くしてドルトムントの監督を経験し、代表コーチ時代は今に至る育成システムの改善に取り組んだりもしていた。ドイツはクロップ、トゥヘルなど今“旬”の監督と、マンマーク主体のリベロシステムに慣れ親しんだ90年代の代表選手など「旧世代」指導者との分断が大きいイメージなのだが、この人はその間を繋ぐ存在というか、ドイツが2006年自国開催W杯でクリンスマン&レーヴの下でそれまでと全く違うサッカーを見せた、その種を撒いた人という印象。広島は昔からヤンセン(オランダ)、トムソン(豪州)、ヴァレリー(ロシア)、ミシャ(オーストリア)など色々な国から監督呼んでくるよなぁ。全体的に育成に長けたタイプが多いし、その辺はさすが。

 前半0-0の後、後半15分にFKから森重が頭で合わせて東京が先制。この試合展開からして動きがあるとすればセットプレーが鍵になるということか。そして直後に広島陣内でパスカットした東京がショートカウンターで最後はアダイウトンが流し込んで2-0。いきなり試合が動いた。ただその後は広島が徐々に押し込む様になり、後半30分頃には縦パスを受けた鮎川がGKとの1対1から冷静に決めて1点差。広島のサッカーはそれこそ東京やマリノスの様な「流行り」のスタイルとはまた違っていて、CFに縦に入れてリターンを受け、そこからサイドに展開だとか、サイドでのトライアングルの関係での突破とかシンプルなのだが、スムーズに次の動作に移行できるような個々のボールの受け方や、縦に急がずテンポや緩急の付いたプレーは去年までの広島とは明らかに違った。最後まで攻めるも追加点は無く。2-1で東京が勝利。

 東京は勝ったものの、開幕戦で書いた様にしばらくは個々の能力で点を取る我慢の時期が続きそう。三田、アダイウトン、紺野などこのサッカー向きな選手もいるが、全体的にカウンターや走力勝負に向いている選手が多いようにも思う。松木は今日もスタメンだったが、閃きや超絶技巧でスタンドを湧かせるというよりは、当たり負けしない強さやメンタリティ、広い視野からの展開力、ゴールに直結するプレーなどは本田圭佑を思わせる。今日は一度カウンターから良いパスを通したくらいだったが、バルサシティグループで育成に関わったアルベルに指導されることといい代表(全世代基本的に433で戦う方針に変更)といい、取り巻く状況はかなり追い風、というか恵まれているし、いずれブレイクするタレントだと思う。

 帰りは前節に続き?ウォーキングということで調布まで歩いた。前述の通り今日は開始に間に合わなかったので、京王線内で近くにいたガスサポの会話から、試合前のユルネバが途中で切られた(その前のアマラオの挨拶が押した為らしい)のを知った。そのサポはかなり憤慨していたが、そんなことがあったとは。