J1第14節 FC東京×大分(味スタ)


 今節のマリノスは金Jだったので今日はどこか別の試合を観に行こうかと思案し、味スタへ。まぁ等々力の川崎×浦和は完売でここくらいしか選択肢は無かったのだが、瓦斯は今首位だし、相手の大分も昇格シーズンに5位と好調、特にマリノスがアウェイで完敗した大分のサッカーを観てみたかった。
 キックオフギリギリに着いたのだが、序盤は東京がやや優勢かなという展開。先日観た秩父宮でのルヴァン杯では攻撃の形があまり見えなかったが、さすがに主力が揃うとクオリティが違うな。前線のD・オリヴェイラ、久保、永井に中盤の東、高萩、橋本が絡む攻撃は単発では無い連続性があった。
 先制は前半30分に右クロスを橋本が頭で合わせたものだったが、この選手も若手と思いきや今年26歳ともう中堅と言える年齢なんだな。他に小川もそうだが、東京はこれまで期待されながら伸び悩み、トップチームで試合に出たり出なかったり、時にはU23に出たり、といった選手がようやくポジションを確保したのが選手層の底上げに繋がっている印象がある。橋本は3月に代表デビューも果たしたが、ボールを奪ってからのダイナミックな展開力が、同じポジションを争うであろう川崎の守田(ショートパス主体のプレースタイル)と比較して、お互いの所属チームのプレースタイルそのままで面白かった。そもそも橋本が代表に呼ばれたのは守田が負傷辞退したからだし、そういった関係性含めて気になる選手。
 対する大分もカウンター時には鋭く相手ゴールに迫っていたのだが、全体的にボールタッチの正確さ、特にオナイウのポストプレーの上手さが印象深い。先日観たJ3の試合では個人のボールタッチやキック精度の粗さが目立っていたが、つい10年ほど前ならこうしたプレーはJ2でもよく見られた。勿論大分はJ2で2位、今季の補強もJ2トップクラスのタレントを集めた訳で一概に言えない面もあるが、もうJ2上位の技術レベルはJ1でも十分戦えるし、J2自体の底上げも成されているのを実感した。オナイウは前でボールを収めつつ周りに丁寧なパスを出し、後半にはゴールもゲット。今年でプロ5年目だが、昨季はJ2で22点、今季はJ1でここまで4点といよいよブレイクが近付いているようにも。二桁取れたら代表入りも見えてくるかな。いつだったか「ストライカーは(高卒)プロ5年目で覚醒」というような記事を読んだがまさにその通りのキャリア。

 試合は前半の終盤に久保が左から切り込んでシュート、これが決まって2-0で折り返し、後半は15分頃に前述のオナイウのゴールが決まり、これは2-2あるかなと思っていたのだが、ATに大分のCKからの流れで、大分の選手がパスミスしてこれを久保が拾い、そのまま無人のゴールに流し込んで3-1。これで勝負あった。

 久保はこれで今季4ゴール。コパアメリカの代表はJが中断しないので色々制約がある中で若手主体という選考だったが、そういった縛りが無くてもJ1首位チームの攻撃の柱として代表選出は当然と思えるようなプレー内容だった。ただ後半はさすがに疲労からかパスミスも幾つかあったし、何よりまだ17歳なので体に負荷を掛け過ぎないで欲しい所だが。

 そうそう今日はバクスタ2階で観ていたのだが、周りにやたら高校生の団体がいた。飛田給からスタジアムに向かう時も学校から直行したと思われる高校サッカー部の集団2組と遭遇したし、今日は高校生招待デーだったりしたのかな。そういう試合で同世代の久保が活躍したってのも何かの縁か。